読売新聞2021年9月20日統合版12版10面にある「気流」(投書)を見ていたら、「韓流ヒット戦略」と題した投書が載っていた。以下、本エントリーに必要な部分を引用する。
(略)韓国初の男性グループ・BTSが世界的に人気を集める理由を分析した記事(5月11日*1を読み、その手法に感心した。
記事によると、BTSは動画配信サイトやSNSなどを積極的に活用し、ファンがそれらに対し、各国の言葉で字幕を付けるなど協力して拡散したという。(略)世界で活躍するためにはネットの活用が不可欠なのだと思った。
一方で、日本のアイドルはテレビでの活動を主にしているので、世界に広まりにくいという。少し残念に思った*2
(こういう文章を読むと複雑な感情を抱くK-POPファンがいるだろうな)と、筆者はK-POPファンだが、他のファンを勝手に代弁してみる。
いくらインターネットの活用があっても、聴いていていいと思わなければわざわざ字幕などつけない。つまり、BTSは楽曲やパフォーマンスのレベルが高いから売れたのである*3
ただ、その一方で、読売新聞2021年5月12日朝刊12版15面「究 BTS世界的ヒットの理由(略)」*4を読むと、楽曲やパフォーマンスのレベルが高いだけでは説明できない要素があるとも思った。「究 BTS世界的ヒットの理由(略)」の内容の大半がBTSの楽曲・パフォーマンスの魅力を説明するものであったが、「加えて、米国での人気の理由について、湯川さん*5は、移民をルーツに持つ韓国系米国人の多さを挙げる。エンタメ業界で働く人も多く、彼らがよき"援軍"になっていると指摘する」の部分が印象的だった。
つまり、楽曲やパフォーマンスが素晴らしいと思う一方で、インターネットであれ移民であれ、他者に伝わりやすい環境があるとも思い、複雑な思いを抱くのである。
読者の皆様は、筆者のような複雑な感情は脇において、YouTubeあたりで「BTS」と検索して、楽曲を視聴すればいいだろう。そうすれば新たな世界が開けるかもしれない。