清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

読売の 佐渡金山報道は フェイク

 とりあえず、日本政府は、佐渡金山の世界遺産の推薦を見送った。読売新聞オンライン「韓国反発で佐渡金山の世界遺産推薦見送りへ…『南京』では日本が反発、『逆の立場に』」(2022年1月20日8時27分)を読んでください。

www.yomiuri.co.jp

 

 その佐渡金山関連の報道で、読売新聞オンラインが変な記事を出した。それは「『韓国が再び国際社会で一方的主張』と外務省懸念…佐渡金山巡り保守系議員と溝」(2022年1月21日。以下①)である。

www.yomiuri.co.jp

 

 ①によると、

 異例の対応の背景には、韓国政府が佐渡島の金山について、「韓国人の強制労働の被害現場だ」と主張し、日本政府に推薦を見送るよう水面下で働きかけていたことがある。(中略)/これに対し、推薦を求める新潟県は「朝鮮半島出身者が働いていた事実はあるが、強制労働だったかどうかは資料や記録がなく、把握していない」との立場だ

という。

 

 どれくらいの質かを判断する能力は筆者にはないが、以下2つの論文のリンクを貼るから、新潟県もこれらをチェックすればよかったのに。

 

広瀬貞三(新潟国際情報大学 情報文化学部 講師)「佐渡鉱山と朝鮮人労働者(1939~1945)」

https://cc.nuis.ac.jp/library/files/kiyou/vol03/3_hirose.pdf

 

李宇衍*1「戦時期日本へ労務動員された朝鮮人鉱夫(石炭、金属)の賃金と民族間の格差 」

https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/1807618/p063.pdf

 

見解はいろいろあるが、強制連行とする人はいるということである。

 

 ①に戻って。

 一方、外務省が世界遺産への推薦に慎重なのは、韓国や中国が仕掛ける「歴史戦」にこの問題が利用されるとの危機感があるためだ。

 2015年に世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」を巡っては、韓国側が構成資産の 端島(はしま)炭坑(通称・軍艦島)について、強制労働を明示するよう日本側に要求した。日本は端島炭坑で働いた朝鮮半島出身の労働者について、国際法上の強制労働には当たらないと主張しており、韓国側と立場の隔たりは埋まっていない

とあるが、フェイクニュースとされても仕方ないだろう。以下に根拠を示す。

 

産経新聞電子版「軍艦島に『強い遺憾』 ユネスコ世界遺産委が決議採択」(2021年7月22日21時24分。三井美奈さんのクレジットが出ている。以下②)。

www.sankei.com

ハンギョレ新聞(日本語版)「軍艦島めぐる歴史歪曲で自縄自縛の日本、佐渡金山の世界文化遺産申請で悩み深まる」(2022年1月4日6時43分登録。同7時20分修正。以下③。)

japan.hani.co.kr

 

②によると、

 国連教育科学文化機関(ユネスコ世界遺産委員会は22日、長崎市端島(はしま)炭坑(通称・軍艦島)を含む世界文化遺産明治日本の産業革命遺産」について、徴用された朝鮮人労働者をめぐる説明が十分ではないとして、「強い遺憾」を盛り込んだ決議を採択した。(中略)/日本は昨年、「明治日本の産業革命遺産」の情報発信の場として、東京・新宿に「産業遺産情報センター」を設立したが、今回の決議は現在の展示は不十分だとして、改善を要求したものだ。(中略)/決議は、世界遺産委員会を構成する21カ国がコンセンサス方式*2で採択した。(中略)/決議はユネスコが委任した3人の専門家の報告書が土台になった。報告書は同センターで展示された端島住民の証言パネルについて「(意思に反して)働かされた人はいなかったというメッセージを伝える」と指摘。「現状では犠牲者を記憶するという目的に適切に応じた展示はない」と結論付けた。専門家は今年6月、センターを視察した。

 

 センターは15年、「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録にあたり、日本が出した声明に基づいて設置された。登録に韓国が反対したため、日本は朝鮮人労働者や徴用政策について理解できるような措置をとると声明で約束し、登録を実現させた。

③によると、

(前略)2015年に「端島」(軍艦島)を登録する際、朝鮮人強制動員の歴史など、遺産に関する「歴史全体」を伝えるという約束を自ら破り、ユネスコから「警告」を受けた事実があるからだ

(中略)

 2015年の軍艦島の登録当時、日本が自ら掲げた約束を破り、国際社会の監視を受けているからだ。日本政府は2015年7月、軍艦島を含む「明治日本の産業革命遺産」23カ所が世界遺産に登録された際、「1940年代にいくつかのサイトにおいて、その意思に反して連れて来られ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者等がいたこと、また,第二次世界大戦中に日本政府としても徴用政策を実施していたことについて理解できるような措置を講じる」と約束した。しかし、昨年6月に東京の新宿にオープンした「産業遺産情報センター」は、「朝鮮人に対する差別はなかった」など、歴史を歪曲する内容で埋め尽くされた。ユネスコは現場調査などを実施した後、昨年7月、日本に対し「歴史全体について理解できるようにする」という約束の忠実な履行を促す決議文を採択した。(以下略)

 

 つまり①の「国際法上の強制労働には当たらない」という話は本質ではなく、日本が約束を破ったというのが事実である。政権ヨイショの為にフェイクニュースを流した読売新聞であった、とされても仕方ないだろう。

 

 ところで、佐渡金山とは何か?これについてはコトバンク佐渡金山」のリンクを貼っておこう。

kotobank.jp

 

 コトバンクを読む限りでは、韓国の主張が正しいとしても一側面にすぎない印象で、世界遺産にするのが問題とは思わなかったが、日本側の過去の不誠実な対応ゆえに難しい問題になってしまったようだ。