清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

れいわゆえ 産経読売 攻勢か

 筆者が調べた範囲内では*1、れいわ新選組参議院議員水道橋博士が辞任したのちに、比例代表*2で落選した5人に得票順に交代で担わせることについて、否定的な評価をしているのは、産経新聞と読売新聞である*3のみ挙げる。))。以下、社説のリンクを。

 

産経新聞「主張 れいわの参院構想 議員の職責を愚弄するな」(2023年1月18日5時)

www.sankei.com

 

読売新聞社説「れいわとN党 国会の議席はそんなに軽いか」(2023年1月18日5時)

www.yomiuri.co.jp

 

 まず、①によると、

 参院議員の職責を、あまりに愚弄している。

 憲法は第46条で「参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する」と定めている。任期が4年で、任期途中で解散もあり得る衆議院より長い任期が保障されているのは、政争に巻き込まれることなく落ち着いた環境で法案を審議できるためで、だからこそ参院は「良識の府」と呼ばれるのではなかったか。

 参院比例代表は非拘束名簿式で行われ、個人名への投票も所属政党である、れいわの得票となっている。ローテーション制は、こうした個人名への投票行動の期待もおろそかにすることになる。

 山本代表は「多様で多彩なメンバーが国民の負託に応えていくことを目指す」とも述べた。ローテーション制が違法ではないとしても、憲法や常識が想定しなかった事態であり、国会や選挙の軽視は明らかである。

 

 次は②。

 山本代表は「多様で多彩なメンバーで、国民の負託に応えていくことを目指す」と述べた。

 憲法や国会法は、このような事態を想定していない。参院議員の任期は6年と長く、解散もない。そうした事情を奇貨として、注目を集める狙いがあるのだろう。

 だが、交代制にしたら、議員が知見を高めるのは難しい。様々な経験も蓄積されない。

 1980年代には、ドイツの緑の党が、4年の任期を2年交代で分けたことがあるが、機能せず、すぐに廃止した経緯がある。

 病気などやむを得ない事情がない限り、任期を全うするのが議員の義務だ。党首の意向で議員をとっかえひっかえするのは、議席の私物化と言わざるを得ない。

 交代制を規制するには、新たなルールが必要だ。与野党は早急に善後策を講じねばならない。

 

 ①の「参院比例代表は非拘束名簿式で行われ」くらいしか、れいわ新選組に対する批判の根拠を見いだせない*4。筆者未調査だが、国会法第107条にある議員辞職の許可が出なかった事例はあるのだろうか。なお、議員に欠員が生じた場合については、参議院HP「よくある質問 選挙について」の、「Q 議員に欠員が出たときはどうするのですか」のところをご一読。

https://www.sangiin.go.jp/japanese/goiken_gositumon/faq/a10.html

なお、〈比例代表選出議員の欠員による繰上補充実施の流れ〉の法的根拠は、公職選挙法第112条第4項、第2項である。

 

 今回の場合は、参議院議員辞職を許可しなければいいだけの話で、どうということはない。従って、産経新聞や読売新聞が社説とするほどのことではなく、それを指摘するために本稿があるのである。

 

 おそらくは、保守系と思われない、れいわ新選組だから取り上げたに過ぎないのだろう。党派的な話である。

*1:2023年1月19日時点。

*2:全国区・非拘束名簿式。意味はコトバンクで確認。

https://kotobank.jp/word/%E9%9D%9E%E6%8B%98%E6%9D%9F%E5%90%8D%E7%B0%BF%E5%BC%8F-181857

*3:他紙もそうかもしれないが、本稿では社説を取り扱うので、産経新聞と読売新聞((あいうえお順に表記。

*4:有権者が順位をつけているのだから、その順位通りにしてもらわないと困る、ということ。