国会議員等を相手にして勝訴した原英史が、なぜか粋がって自由主義の国日本に挑戦するという話。
まずは原英史が、2024年1月11日17時13分にフェイスブック上でしたコメントを紹介する。
上記リンクはフェイスブックアカウントがないと見られないので当ブログでは引用しないが、産経デジタルで奥原慎平が記事にしている。奥原慎平."「不当な報道の検証不可欠」名誉毀損確定の毎日記事で原英史氏 議員の免責特権見直しも".産経デジタル.2024-01-12,
, (参照2024-01-13)によると、
(森裕子の発言について。筆者補足)国会議員の国会での討論は免責特権が認められるため、原氏は森氏の発言を訴訟の対象から外さざるを得なかった。原氏はFBで「国会内でなされた誹謗中傷は免責特権で守られ、訴訟すらできなかった。『政治改革』が争点になっている中、課題の一つとして国会改革もぜひ議論してほしい」と免責特権の乱用防止を訴えた
という。なお、産経抄"政治改革もいいけれど、国会改革も."産経デジタル.2024-01-13.
,(参照2024-01-13)は無料会員でも読めるので、それも是非。
しかし、免責特権(憲法第51条)「の規定の目的は、議員の職務の執行の自由を保障することにある」*1わけで、一連の原の言動は国会議員の職務執行に対する重大な挑戦であり、ひいては自由主義を採用している日本に対する挑戦である。いくら国会議員に名誉を毀損されたからと言って、安易に採用すべきでも聞くべきでもないだろう。
もちろん、「国会議員が国会で行った質疑等において、個別の国民の名誉や信用を低下させる発言があったとしても、これによって当然に国家賠償法一条一項の規定にいう違法な行為があったものとして国の損害賠償責任が生ずるものではなく、右責任が肯定されるためには、当該国会議員が、その職務とはかかわりなく違法又は不当な目的をもって事実を摘示し、あるいは、虚偽であることを知りながらあえてその事実を摘示するなど、国会議員がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認め得るような特別の事情があることを必要とすると解するのが相当である」という裁判例がある*2ので、国が賠償義務を負う場合がある。しかし、原のフェイスブックを見ても、上記裁判例に該当する内容を発見できなかった。なお、被告の森裕子前参議院議員のブログについては、"国家戦略特区WGにおける「ヒアリング隠し」について 森ゆうこ【動画】".前参議院議員森ゆうこ.2019-06-13.
, (参照2024-01-13)が該当するエントリーと思われるので、リンクを貼った。
名誉を毀損されたのは気の毒である。しかし、職務執行の自由を制限しようという提言はいただけない。