清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

民主党 政権のとき なぜ上位?

1.筆者は以前、下村健一*1.マスコミは何を伝えないか:メディア社会の賢い生き方.岩波書店,2010.を読み、Amazonサイト上でレビューをした*2が、そこで「『マスコミは出来事の一部しか報じないものなのだ』」と書いた。次に取り上げる産経新聞デジタルの記事を読んで、思い出した。

 

2.奥原慎平."報道自由度70位に疑問の声「こんなに政権批判できるのに」 民主政権時の上位に違和感も".産経ニュース.2024-05-07.

www.sankei.com

,(参照2024-05-07)によると、

 国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(RSF)が発表した2024年の世界各国の報道自由度ランキングで、日本は前年から2つ順位を下げて70位だった。先進7カ国(G7)で最も低くく、SNSでは「こんなに自由に政権批判できる国は珍しい」などと疑問視する声が相次いでいる。民主党政権時の2010年は12位で、14年間で急落した状況に違和感を唱える声もある

 

記者クラブ制度」などが理由(以下略)

という。

 

 産経ニュースの記事をよく読むと、書いていないことがある。それは、2013年12月に成立した、特定秘密保護法*3である。民主党政権時には存在しなかった法律である。"【国際】世界報道自由度ランキング2024年版、首位ノルウェー。日本は70位で2つダウン". Sustainable Japan.2024-05-05.

sustainablejapan.jp

,(参照2024-05-07)によると、

法的指標では、重要土地利用規制法や特定秘密保護法をネガティブ材料とした

とある。「【参照ページ】」をクリックすると、国境なき記者団のサイト*4にアクセスでき、「SEE THE LANKING」をクリックし、「Find a Country」の「70 Japan」をクリックすると、「See country fact-file」という文字が現れ、それをクリックすると、

https://rsf.org/en/country/japan

,(参照2024-05-07)にアクセスできる。そこにある「Legal framework」を見ると、

The government also refuses to amend a law on the protection of specially designated secrets, which punishes the publication of information obtained “illegally” with up to ten years in prison. 

 

(以下、DeepL*5による翻訳)

政府はまた、「違法に」入手した情報の公表を最高10年の懲役に処する特別秘密保護法*6の改正も拒否している。

とある。産経ニュースが書いていなかったことも理由であることがお分かりいただけただろうか。

 

3.ところで、特定秘密保護法こと特定秘密の保護に関する法律の立法過程が興味深かったので、それも書いてみる。

 

 "特定秘密保護法".コトバンク.

kotobank.jp

,(参照2024-05-07)によると、成立は2013年であるが、「2010年に尖閣(せんかく)諸島沖で中国船籍漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した映像が流出したことをきっかけに、政府の有識者会議が2011年に「秘密保全法制を早急に整備すべきである」との報告書をまとめ、第二次安倍晋三(あべしんぞう)政権下で法制化された」*7とあり、慶応大学准教授の松浦淳介が書いた特定秘密保護法案の立法過程:分裂議会における参議院の拒否権と非決定現象.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jalps/52/1/52_KJ00010220905/_pdf/-char/ja

,(参照2024-05-07)によると、

特定秘密保護法の制定に向けた政府内の動きは、少なくとも2006年9月に発足した第
一次安倍内閣のときにまで遡ることが でき 、また実質的な法案化の作業は2010年 11月に尖閣沖漁船衝突事件にかかわる情報漏えいが発生したことを契機として、 民主党菅内閣 、それにつづく野田内閣のもとで進められた *8

という。

 

 野党が反対しているイメージがあったから*9民主党政権のときから法制化が検討されていたのは知らなかった。

 

 特定秘密保護法案の立法過程を検討したところ、民主党政権時から検討されていたことがわかるので、産経ニュースの見出しは問題も、以前の民主党が、自由民主党政権より報道の自由を重視していたとは言えないようである。