清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

再生会議 最終報告も 全然ダメ

教育再生会議が、最終報告を提出し、活動を終えた。

報道に接した限りでは、有益なことをほとんど提言できておらず、こんなことに税金が使われるのが腹立たしいと思った。

さて、最終報告の全文(http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2008/20080131.html
東奥日報に出ていたが、これもダメだ。以下、検討する。

まず前文。第1に、「「生活者重視」、すなわち教育の受益者である全ての子供や若者たち、保護者の立場に立った教育再生」がダメである。なぜ、教師の立場を考慮してはいけないのだろう。教師が研究した学問と、それに対する受益者の応答(鵜呑みではない)が教育ではないのか。

次に、「最近の社会状況に鑑み、学校教育における徳育の充実が不可欠」とあるが、本当に「最近」だけ?また、最近はそんなに悪い?(いじめは過去にあったし、少年犯罪も際立った増加傾向を見せていないのは常識だけどな)。

第3に、「効率化を徹底しながら、メリハリを付けて教育再生に真に必要な予算について財源を確保し、投資を行」うのもいいが、学習者に不利益にならないように注意しないとね(学校選択制下で、選択できなかった人が不利益を被るようだと最悪)。

ここまでが前文の批判で、やっと本文。まず、1、「提言の実現に向けて」。「徳育を「教科」として充実させ」ることを提言しているが、再生会議は古典も読んでいない無教養人のようだ(徳義は智恵と異なり、内心から出るもので、教えるのに限界があるということ。福沢諭吉文明論之概略』(岩波文庫)、丸山真男『「文明論之概略」を読む』(全3冊。岩波新書)参照)。

第2に、「ボランティアや奉仕活動」は、各々勝手にやるもので、教育の問題と関係ないだろう。

第3に、「ゆとり教育」の見直しはいいとして、「土曜日の活用など弾力的な時間設定」は、先生の労働環境(先生だけ週休2日不可?)を考慮すれば、難しいだろう。

第4に、「伸びる子は伸ば」すのはいいが、選抜試験に使われる現状では、「伸びる子」が疲れないか。最低限の指標と、「伸びる子」の好奇心の喚起こそが重要ではないか。

第5に、「優れた先輩・社会人・大学教授」でないと、いい授業はできないのか。今の先生よりいい授業ができるのか。今の先生の充実や、環境整備こそが大事では?

第6に、「「悪平等」を排し、教育現場の切磋琢磨を促し、頑張る学校、教員を支援する」とのことだが、学習者のこと、教育にチームプレーの要素があることを考えなさい。

第7に、「国立大学法人は教育水準の向上のため必要に応じ「定員縮減」」をするのはいいが、「「再編統合」を推進する」のは程度問題だろう。なるべく多くの人が大学で学べるようにすることが大事ではないか。また、大学の無償化も検討課題だろう(もっとも、私学との学費格差の問題もあるが)。
(続く)