清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

終身刑 よりも死刑の 廃止だよ

この記事は、西日本新聞のサイトに興味深い記事があったので、それを引用しつつ展開する。

終身刑創設のための議員連盟が発足したそうだ(西日本新聞終身刑 秋に提案方針 量刑新設 超党派議連が発足」(http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/22703
)。

ただ、この議員連盟、少々問題である。理由は以下の通り。

まず、「死刑と無期懲役のギャップを埋める量刑新設を目指」していること。ギャップなど大した問題ではない。死刑の問題を直視すべきである(冤罪、残虐、弱者ほど刑を受けやすい、など)。

次に、「仮釈放のない「終身刑」創設を軸に検討」していること。死刑を言い渡された者でも特赦や減刑の請求権があること(市民的及び政治的権利に関する国際規約第6条第4項)とバランスの取れる制度にしなければならない(文字通りの終身刑はダメ)。そうすると、名前はどうあれ、現行の無期懲役刑と大して変わらないだろう(せいぜい仮釈放までの期間を長くするくらい。なお、仮釈放を原則として認めない法制度のほうが少数のようだ。「西日本新聞終身刑」米中など導入 欧州では少数 「仮釈放」要件に差」(http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/22962
参照)。

第3に、「量刑の選択肢を広げる必要」から終身刑導入を検討しようとしていること。必要ない。現行の無期懲役刑でも、反省の度合いなどで「量刑の選択肢を広」げた場合とほぼ同じになりうるからである(反省した人が早く出られる)。

終身刑という名前の刑罰創設に絶対的に反対するわけではない。しかし、死刑の問題点の直視と、妥当性の追求の方がもっと大事である。

*なお、いろいろ調べたら、MSN産経ニュース「【断 中村文則】無期刑の無理解」(http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080511/acd0805110203002-n1.htm
という素晴らしいコラムに出会ったので、この記事と並んでご一読を。