清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

死刑囚 じゃなくて被害者 反論だ

例の朝日新聞素粒子」6月18日号の「死に神」の表現について、鳩山邦夫法務大臣が、「執行された方に対する侮辱」と憤ったことは、皆様ご存知の通り。そうであるならば、死刑囚の家族の方が猛烈に抗議するはずだが、このような話は寡聞にして聞かない。

一方、「死に神は さておきWEBに ないのダメ 」(http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/42961040.html
で、「被害者に対する侮辱だという意見が多いが、そんなことは鳩山さんは言っていないようだし、記事からも読み取れない」と書いたが、被害者の方が声を上げたようだ。

すなわち、MSN産経ニュース「朝日「死に神」報道、あすの会が抗議」(http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080625/trl0806251906010-n1.htm
によると、「朝日新聞が18日付夕刊1面コラム「素粒子」で、昨年8月の就任以来計13人の死刑執行を指揮した鳩山邦夫法相を「死に神」と表記した問題で、「全国犯罪被害者の会」(あすの会)は25日、「犯罪被害者や遺族をも侮辱する内容」だとして、朝日新聞社に「抗議および質問」と題する文書を送付した」という。

上記記事によると(あすの会のホームページ(http://www.navs.jp/
にはupされていないので)、「文書は「確定死刑囚の1日も早い死刑執行を待ち望んできた犯罪被害者遺族は、法相と同様に死に神ということになり、死刑を望むことすら悪いことだというメッセージを国民に与えかねない」などとしている。また、死刑執行の数がどうして問題になるのか-など4項目の質問に、1週間以内に回答するよう求めた」という。

ツルのはきだめ2008年6月20日「死神呼ばわりされたら誰だって怒るよフツー。」(http://j-darkside.cocolog-nifty.com/hakidame/2008/06/post_f0d2.html
に、「素粒子」の詳しい内容が書かれており、各種サイトも同趣旨だから、正しいものとして、以下、議論を進める。

上記ツルのはきだめなどを見た限りでは、素粒子には、「犯罪被害者や遺族」は出てこない。だから、「犯罪被害者や遺族」に対する侮辱というのは、飛躍があるのではないか(残念ながら、現行法上は、「犯罪被害者や遺族」が死刑を執行するのではなく、公益のために(「犯罪被害者や遺族」のためだけでなく社会防衛のためなど)法務大臣の命令によって執行するのである(刑事訴訟法第475条))。

「死刑を望むことすら悪いことだというメッセージを国民に与えかねない」とのことだが、死刑を望むことがいいことかは検討の余地があろう。被害者の立場からすれば、死刑を望むことが当然だとしても、死刑に問題がないかぐらいは検討しなければならないだろう(たとえば、誤判がゼロになると本当に思っているのだろうか?)。

「死刑執行の数がどうして問題になるのか」ということについては、〇犒瑳更圓某欺鼎気欠けているところはないか、∋犒困魴擇見ているのではないか、ということであり、問題があるとは思えないが。

「被害者は、その尊厳に対して同情と尊敬の念をもって扱われるべきである」(犯罪およびパワー濫用の被害者に関する司法の基本原則宣言(国連被害者人権宣言)第4条)ことは承知しているつもりだが、だからと言って、死刑問題について疑問を呈したり廃止の方向で論じてはいけないということにはならないだろう(どちらが妥当かをきちんと検討することこそが、「尊厳に対して」「尊敬の念をもって扱」うことなのではないだろうか)。