清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

大竹(文雄)さん ちょっとおかしく ないですか?

週刊東洋経済2008年10月25日号には、大竹文雄大阪大学社会経済研究所教授の記事が2つ載っている。そのどちらにもトンデモ発言があったので、以下取り上げてみたい。

1.「経済を見る眼」(p9)

未成年の子供を持つ親に、子供の数だけ投票権を与えるべきとの提言。

おそらく、1990年以降の、20代、30代の投票率低下は本当で、憂えるべきなのだろう。

しかし、だから未成年の子どもを持つ親に子供の数だけ投票権を与えるべきだということにはならない。親の都合がより反映する可能性がある(未成年の子どもには有利にならない)ことすら考えていないのだろうか。

2.「行動経済学の知見を生かせば長時間労働は抑制できる」(p82)

長時間労働などが原因で過労死する人は「依存症」なのだそうな。また、「長時間労働する人は子供のころ、夏休みの宿題を最後の方にやっていたタイプの人だ」そうな(両方とも、本人に問題があると読める)。しかし、こんなこと、過労死した遺族の方に言えるかな(言ったら、人間的に問題だと思う)?

まず、「依存症」などについてだが、業務量に問題はないのか?業務を命ずるほうに問題はないのか?それを無視して、本人のせいだけにしては不公平だろう(そういえば、奥谷禮子さんの「過労死は自己責任」という趣旨のコメントが載っていたのは、題名は忘れたが、東洋経済新報社の本だったよな)。また、「夏休みの宿題を最後の方にやっていたタイプ」のほうが多そうなのは、賢明な読者の皆様ならそう思うだろう。すなわち、最後にやらないタイプの人が少なく、その人がたまたま長時間労働しないだけかもしれない。せいぜいデータの出所を提示してほしかった。

なお、「残業が少し恥ずかしい雰囲気をつく」ったり、「残業の申請を少し面倒くさく」したりするのは、おそらく正しいのだろう。しかし、その他の手段は検討に値しないのか?労働基準監督署の取締りの強化や、時間外労働の割増賃金を5割以上にする(現行労働基準法第37条第1項では、2割5分以上)ことなどはダメなのだろうか?

どうも、行動経済学に偏りすぎて、トンデモ発言につながったようだ。