昨日は、第45回衆議院議員総選挙。当ブログを読まれる賢明な20歳以上の方は、おそらく投票に行かれたことでしょう。
結果は、大まかに書けば、自由民主党と公明党の惨敗、ならびに、民主党の圧勝であった。
これは、当然の結果だろう。以下、私見を述べる。
まず、郵政民営化、地方交付金削減などで、長年の支持基盤であった地方を怒らせてしまった(もっとも、これらの政策が間違いだと言いたいわけではない)。
それなら都市部の方はどうか。たしかにいざなぎ景気を超えた好景気が前回の衆議院議員総選挙(2005年)から今回の総選挙までの間にあった。しかし、それで都市部の労働者の生活がよくなったわけではない(実は給料が減っていたそうだ。大西良雄のニュースの背後を読む「いざなぎ越えと給料」(http://www.quon.asia/yomimono/business/oonishi/2006/11/08/937.php)
参照)。郵政民営化、更なる規制緩和にかかわらず(?)、都市部の労働者の生活がよくならなかったわけで、都市部の人の怒りも買ってしまった。
このような前提があるので、自公連立政権にとっては不利な状況の選挙になった。そこで切り札は、「日本を壊すな」という広告(読売新聞2009年8月30日朝刊6面(仙台では)参照)に現れているようなネガティブ・キャンペーンだが、左翼色が薄い(イメージのある)民主党には通用しなかった(かつて日本社会党がそれなりの勢力だった頃、自由民主党は、同様のネガティブ・キャンペーンをしたらしい。山口二郎『政権交代論』(岩波新書)の一読を請う)。
その他いろいろあろうが、都市部、地方、ともに生活が苦しくなっている実感の下では、当然の政権交代である。
私個人は二大政党制はあまり好きではないが、仮に今後も二大政党制になるとして注文をつけると、自由民主党は独立独歩的な(自営業者や富裕層の政党になる、ということ)、民主党は労働者の味方的な政党になってほしい(これも山口二郎『政権交代論』を読んでヒントを得た。実際の政党に例えると、自由民主党はアメリカ共和党、イギリス保守党のように、民主党はアメリカ民主党、イギリス労働党のようになってほしい、ということ)。それじゃ、労働者の割合が高いと言われる日本においては、民主党の永久政権を望んでいるのではないかと取られそうだが、そうではない。これは私見だが、自営業者や富裕層にとっては常に自由民主党は正しいが、労働者にとって民主党が常に正しいわけではないから(労働者保護が状況によって正しくない場合があるのではないか?)、適当に政権交代が起こり、不都合はないだろう。