読売新聞2009年8月30日朝刊32面(仙台では)に、第14回全国中学・高校ディベート選手権の模様が載っている。
そこに、面白いディベートの模様が載っていた
それは、中学の部の「「すべての乗用車を電気自動車に」是か非か」である。
実際のディベートは、否定派の東海中学校(愛知県)が、肯定派の広島県立広島中学校を下して優勝したが(東海中学校の皆様、おめでとうございます)、どのような内容だったのだろうか。講評も併せて検討する。
まず、肯定派の広島県立広島中学校の意見。
「CO2の8%削減」
「先進国の日本がリーダーとなって環境問題に取り組むべき」
一方、否定派の東海中学校の意見。
「ガソリン車に比べ部品数の少ない電気自動車は失業者を増やす」
「ハイブリッド車もあり、選択肢を単一化すべきではない」
講評から。
(否定派)「開発が進めば2020年にはディーゼル・ハイブリッドの方が二酸化炭素排出量を少なくする」
データがないので本当のところがわからないが、以下、私見を述べる。
肯定派の意見は、皆様もそう思っていることだろう。
一方、否定派の意見が面白かった(ので、エントリーした)。
まず、「失業者を増やす」というのは、根拠としては駄目である。事業者としては、失業者が増えても、人件費がかからないというコスト面でのメリットの方が大きいからである。失業者が増えるからやりませんでは進歩の否定である(つらい話だが、文句があるならアイデア出せよ!)。
「選択肢を単一化すべきではない」は決め手にならないだろう。事業者としてはコストがかからず、人々のニーズに合い、なおかつ利益が出るものがいいに決まっているからである。選択肢の多寡は大した問題ではない。
最後の、「開発が進めば2020年にはディーゼル・ハイブリッドの方が二酸化炭素排出量を少なくする」というのは私は知らないが、もしそうなら根拠として一番強いか。環境にいいイメージで売れるから。もっとも、音の問題、充電の問題、値段の問題など、いろいろあるが。というわけで、この理由に説得力があったので優勝したと推測する。