清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

「偽善」はね おそらく『週刊 新潮』だ

だいぶ遅くなったが、『週刊新潮』2010年2月4日号、見てまいりました(買っていない、ということ)。

なぜ見たのかというと、「貧困ビジネス『悪魔の手配師』に生き血を吸われた『偽善派遣村』の村民たち」との見出しが興味深かったからである。

ざっと読んだ内容を私なりに解釈すると、派遣村において仕事をあっせんしたり生活保護を受給したりするようにしたのはいいが、あっせんされた仕事は、いわゆる貧困ビジネス(各自お調べを)といわれるものだったという(ざっと読んだにすぎないので詳細略)。生活保護受給が決定してアパートに住めた人にも、貧困ビジネスの魔の手が忍び寄っているのだという。生活保護受給者の中には、ギャンブルなどで蕩尽する人もおり、生活保護受給は自立を促すものではないので、公設派遣村は「偽善」であるというもの。

これで公設派遣村を批判していい気になっているが、まともな能力のある人なら、「偽善」は『週刊新潮』であることは、一目瞭然だっただろう。

そもそも、貧困ビジネスが悪いはずであって、公設派遣村が悪いわけではないからである。もちろん、公設派遣村だって失敗はあろう。しかし、1回ぐらいの失敗で批判しても何にもならない。改善すればいいからである。

ギャンブルなどで蕩尽するのは、生活保護が悪いわけではなく、サポート体制が不十分だったり、ギャンブルした人の問題だったりするわけで(依存症)、これも生活保護批判ではなく、単なる誹謗中傷で、買って共感した人は考え方に問題があるので、反省したほうがよかろう。つけ加えると、たかが1人のコメントで正しい(『週刊新潮』によれば、ホームレスの人のコメントを載せ、それを正しいとして記述を進めている)としているきわめてお粗末なもので、もし生活保護が悪いのならば、詳細なデータを出すべきだろう。

生活保護やアパートに住めることに批判的な内容だったが、それなら凍えて死ね!!!と言うのだろうか?また、支援の対案もないので、批判ばかりせずに対案を出せ!!!とは言える。

それにしても、『週刊新潮』の記事を書いた人は、経済を何にも知らないな。自立なんて全員が出来るわけないじゃん。とりわけ不況下では。最低賃金を取っ払ってほとんど無給で働けても、差額は生活保護を受給するなどしないと、「健康で文化的な最低限度の生活」(憲法第25条)なんかできないよ。実際は最低賃金があるので、不況であれば仕事がない人が出ても不思議ではない。また、いうまでもなく、資金がないので事業も出来ないし。というわけで、結局、『週刊新潮』流の生活保護批判は、単に紙面の無駄だったわけである。