清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

刑場の 公開ちょっと 問題だ

asahi.com「刑場公開ピリピリ厳戒 バス目隠し、執行ロープはつけず(1/2ページ)」(2010年8月27日16時49分。同日アクセス。1ページ目のみURLを示す。http://www.asahi.com/national/update/0827/TKY201008270244.html
によると、「固く秘密が守られ、拘置所内でも限られた職員しか立ち入らない死刑の執行場所が報道機関に初めて公開された」という。上記asahi.comでは、写真つきでその模様が書かれている。以下、上記asahi.comに基づいて、検討する。

そもそも公開は大変結構なことだ。国家機密でもなかろう、死刑執行など。ゆえに公開は当然のことである。

「『限られた公開』となった」のは仕方のない面もあるが(まさか、実際の死刑執行を公開はしまい)、問題もある。問題だと思うところは以下を読めばわかるはずである。

「携帯電話を使わないよう指示され、取材が終わるまで外部との一切の通信が制限された」→新聞記者の中に、犯罪に手を貸すという人がいるかのような過剰な警戒にしか見えない(新聞記者を信用しないのは自由だが)。

今回の公開と直接関係はないが、「2005年に大阪市の弁護士が、大阪拘置所の刑場の図面の情報公開を求める訴訟を起こした。このときは『図面が公開されると死刑確定者の奪取や死刑執行の阻止などの計画を容易にする』という国の主張が認められ、公開は認められずに最高裁で確定した」という。弁護士の主張とあわせて検討すべきだが、裁判所の判決も理解でき、興味深い内容。

「公開された刑場に、死刑執行の際に設置されるロープはなかった。『通常の管理状態では備え付けていない』というのが非公開にした理由という。その代わりに法務省は、ロープは直径3センチ、長さ約11メートルだと明かした」とあるが、これは問題だろう。どのように死刑が行われるかを想像するには、ロープぐらいはつけないとダメだが、法務省既得権益を守りたいため(死刑を廃止したくない。どんな利益があるのかは知らないが、誰でも他人からやり方を変えられたくはないもの)に隠そうとしているようにしか見えない。国民をなめているのか?

(以下、2ページ目)「目隠しをされた死刑囚が、ロープを首にかけたまま立たされる踏み板は公開したものの、開閉する様子は見せなかった。『開閉時に非常に大きな音がするため、(接見に訪れた人など)いろいろな人が拘置所を出入りする時間帯に、そのような音を流したくないと考えた』と法務省は理由を説明した」というが、そんなに普段は静かなのか(東京拘置所に行ったことがないのでわからない)?それはさておき、これだって、踏み板の開閉をしないと、リアルにわからないじゃないか!

「立会室には階段があり、下りることができるようになっていた。この『階下の部分』も今回、立ち入りを厳重に禁じられた。『大臣も立ち入っておらず、大臣の目線をもとに公開することで十分だ』というのが法務省の見解だ」というのも意味不明。さっきから読んでいると、必死に何かを隠そうとしているようにしか見えない。死刑についてよく知りたい国民をなめているとしか見えない。

「『遺体があったところに土足で踏み込まれるのは困る』という刑務官らの『感情』にも配慮したという」だって?この点しか「配慮」しないの?ところで、採用試験において、「死刑を執行することもある」、平たく言えば「おぞましい殺人犯同様、人を殺すこともある」って言うのかしら?

「死刑囚が暮らす『房』と刑場との位置関係も公開されなかった」もよく理由はわからない。また、「『刑場は死者の魂がいる厳粛な場所』法務省の職員は事前にそう説明し、刑場内での質問は一切受け付けなかった」ともあるが、「『厳粛な場所』」=質問を許さないということにもならない。

公開は一歩前進だが、法務省が隠し事ばかりしているのは最低である(もっとも、このエントリー時点では、asahi.comしか詳しく読んでいないので、朝日新聞が誘導している可能性を否定はしない)。こんな奴等に首を絞められたら、たまったものではないと思うのは私だけであろうか?