清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

見出しとね 中身がこんなに 違うとは

週刊現代』2011年7月2日号、p54~の見出しは「石井一民主党副代表が明かす ああ、これが一国の総理なのか 『やめたくないよー、菅直人は僕の前で泣いた』」。

これだけ見ると、菅直人内閣総理大臣は、地位に対する未練だけの情けない人間のように読める。

しかし、読むと、そうではなく、菅さんの責任感の強さか垣間見える内容である。石井さんは民主党副代表なのだから割り引いて読まなければならないが、見出しと内容がこんなに違うのでは、言論機関失格だろう。内容がどう真っ当かを検討する。

「面子のために退任を遅らせようとしているのであれば、国民、とりわけ被災者にとってこれ以上迷惑な話はない」(p54)って勝手に代弁するなよ。退任するしないで勝手に騒いでいるマスメディアのほうが「迷惑」だろう。

「そもそも、不信任決議案も否決されたわけですし、辞める必要がないでしょう?」(p54。石井一さんの発言)→その通り!信任状態が続いているだけだから。

「自分は、命がけで震災復興と原発事故に対応しているつもりだ、と。そして、民主党は今こそ、全員野球をしなければならないのだ、と言っていました。いつまでも怨念にとらわれていてはダメだ、と。自分はそのためにも、いま政権を降りることはできない……菅さんは涙ながらに、私にそう語りました」(p54。石井一さんの発言)→見出しの情けなさは微塵もなし、責任感を持って仕事をしているというのが本当のところのようだ。本当かはさておき、講談社は発言を枉げてまで売ろうとする、言論機関にあるまじきことをしてしまった。

「マスコミは批判ばかりしたがりますが、じゃあ、かつての自民党政権の、麻生太郎元首相」や「鳩山由紀夫前首相」らに比べて「菅さんが(中略)取り立てて劣っているとは思えません」(p55の石井一さんの発言を清高が一部要約)→私もそう思うし、マスコミも菅さんがとりわけ劣っていることを証明できていない。ブロガーに至っては、いちいち取り上げないが、政治文書と思ってよい。

「例えば、被災地のガレキが片付かないというけれど、それは現段階で処分する場所がないからでしょう(中略)菅さん以外の人間が総理だったとしても、それほど違っていたとは思えませんね」(p55。石井一さんの発言)→場所がないかは精査していないが、菅さん以外でもそれほど違っていたとは言えないというのは、直感的にはそうだと思う。そうでないと言う人がいるなら、証明してみせよ。

「『確認書』」の第一項目には、『民主党を壊さないこと』とありました」という質問に対して、「私もあの確認書を見て驚きました。なぜ震災対応が一番目に来ないのかと。/(改行の意。清高補足)ただ、菅首相にしてみれば、ここ半年か1年で震災処理をしたのち、民主党本来の政策に乗り出さないといけない。そのためには、いかなることがあっても党内を一本にまとめ、分裂だけは絶対に避けなければならない。だから、それを最優先する形で、ああいう確認書になったのでしょう」(p56。石井一さんの発言)→別に不思議でもなんでもないですね、石井さんの発言は。第3党以下に不利な小選挙区制中心の制度を採用しているのでね、日本の衆議院内閣総理大臣の使命を請け負う。憲法第67条)は。

「大連立なんて、現実的には不可能です(中略)今の小選挙区制では、実質的に民主党自民党の一騎打ちになるわけで」(p56。石井一さんの発言)→極めてまっとうな現状認識。

以上、石井一さんの見解の妥当性と、『週刊現代』のバカさ加減が目立つ内容だった。バカなのはまだいいが、発言を枉げて書くのでは、言論に携わる資格はないな。廃刊が近いかも。