まずは「復興債25年償還 3党合意を「消費税」に生かせ(11月9日付・読売社説)」(http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20111108-OYT1T01270.htm) をご覧ください。
読売新聞の主張は、「復興増税は短期間で切り上げるのが本来の姿だろう」である。
しかし、読売新聞の立場とすれば、「政府税制調査会は5年と10年の2案を示し、首相は10年を指示した。これに対し、公明党が15~20年、自民党が建設国債並みの60年を主張したため、民主党は10年から15年、25年と譲歩を重ねた」のは、自由民主党と公明党が問題のはずである。自由民主党と公明党が「復興増税は短期間で切り上げる」のに反対したから民主党が妥協せざるを得なくなったからである。
それなのに、「与野党が増税問題で歩み寄ったことは一歩前進」だとか、「民主党が妥協したのは、やむを得まい」だとか、「野田首相が「将来世代に負担を先送りしない」と強調した復興増税の基本理念が失われたのは、残念だ。これでは、臨時増税とは言えないのではないか」だとか、どこを読んでも、読売新聞の説と反対の妥協を迫った、自由民主党と公明党に対する痛罵がない。
批判すべきところをきちんと批判しないで、民主党にも問題があるかのような社説を書くのは不誠実じゃないか?
言論機関ならば、事実を直視し、おかしいと思ったら決然と批判すべきだろう。たとえそれが、他の論点では支持する政党であっても。