清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

岡村勲 死刑のために 枉げまくり

読売新聞2016年11月23日朝刊12版13面(解説)に、全国犯罪被害者の会元代表幹事・顧問である、岡村勲(以下も敬称略)の「死刑廃止運動と弁護士会」(以下、「記事」と表記)というのが興味深かったので、以下、引用しつつ取り上げる。

 
まず、「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」(日本弁護士連合会HPより。http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/civil_liberties/year/2016/2016_3.html
)が「全会員の2%」(記事から引用)で可決されたので「多数の意見を反映したものとはいえない」(同)とする。しかし、筆者は日本弁護士連合会人権擁護大会の過去の出席人数を調べていないが、実務で忙しい人は相当数いるものと思われ(決議がなされた2016年(平成28年)10月7日は、金曜日、人権擁護大会が会員の、例えば8割が出席するとは思えないから、そう書いてしまうと、犯罪被害者関連の人権擁護大会の宣言も「多数の意見を反映したものとはいえない」(記事から引用)となってしまう。例えば、日本弁護士連合会HPより、「人権のための行動宣言2009」のもと人権擁護活動を一層推し進める宣言」(http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/civil_liberties/year/2009/2009_5.html
)、「犯罪被害者の権利の確立とその総合的支援を求める決議」(2003年(平成15年)10月17日は金曜日。http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/civil_liberties/year/2003/2003_4.html
)。
 
次に、「死刑廃止を唱える弁護士」(記事より引用)が「弁護士会の名前で自己の信念を達成しようとするのは許されることではない」(同)なら、「人権のための行動宣言2009」のもと人権擁護活動を一層推し進める宣言」も、「犯罪被害者の権利の確立とその総合的支援を求める決議」も許されなくなってしまう。
 
岡村は「死刑廃止をしたければ、自分の力で、自分の金で運動すべきだ」(記事より)と書いたが、これも前述の犯罪被害者関連の人権擁護大会宣言の存在と矛盾している。
 
少し戻って、記事には「『国民の健全な常識の反映が欠かせない」として裁判員制度を実現させた日弁連は、この矛盾(死刑容認が多数。筆者注)をどう考えるのか」と凄むが、国民がどれくらい死刑についての議論を知っているかを無視して凄まれてもなぁ、としか思わなかった。読者の皆様がもし良かったら、死刑が一般予防として懲役刑以上の効果があるか、その根拠となるデータと併せて示してください。
 
岡村は「死刑廃止論者は、今までも弁護士会を利用し、弁護士会の費用で各種会合や活動を行ってきた(略)弁護士会の会費は死刑賛成論者も納付している。しかも日弁連は、弁護士法の規定で(略)「強制加入団体」になっているため、その活動に不服が会っても退会はできない」(記事より)から、(繰り返しになるが)「死刑廃止をしたければ、自分の力で、自分の金で運動すべきだ」(同)と主張している。
 
しかし、この主張は、南九州税理士会政治献金事件(最高裁平成8年3月19日判決。http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/864/055864_hanrei.pdf
)から判断すると、通らない可能性が高い。その判例によると、「被上告人(南九州税理士会のこと。筆者注)が、税理士業務の改善進歩を図り、納税者のための民主的税理士制度及び租税制度の確立を目指し、法律の制定や改正に関し、関係団体や関係組織に働きかけるなどの活動をすることは、その目的の範囲内の行為」だという。なお、同判例の「法四九条二項」は、現在の税理士法第四九条第六項である。http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi?IDX_OPT=1&H_NAME=%90%c5%97%9d%8e%6d%96%40&H_NAME_YOMI=%82%a0&H_NO_GENGO=H&H_NO_YEAR=&H_NO_TYPE=2&H_NO_NO=&H_FILE_NAME=S26HO237&H_RYAKU=1&H_CTG=1&H_YOMI_GUN=1&H_CTG_GUN=1 
参照。一方、「税理士会が政党など規正法上の政治団体に金員の寄付をすることは、たとい税理士に係る法令の制定改廃に関する政治的要求を実現するためのものであっても、法四九条二項で定められた税理士会の目的の範囲外の行為」とされる。つまり、税理士会は、一定の範囲内で、多数決に基づいて活動ができるのである。
 
から)第四五条第二項(税理士法で言えば税理士法第四九条第六項)の「日本弁護士連合会は、弁護士及び弁護士法人の使命及び職務にかんがみ、その品位を保持し、弁護士及び弁護士法人の事務の改善進歩を図るため、弁護士、弁護士法人及び弁護士会の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的とする」に合致すると思われ(弁護士法第一条も参照)、ましてや政治献金すらないのだから、問題ない決議である。
 
岡村勲は、以前にも、死刑を残すために物事をねじ曲げて論じた文章を発表したが(「ガス室送り 支持しちゃったよ 岡村さん」(http://blogs.yahoo.co.jp/kiyotaka_since1974/52850765.html
)参照)、今回もそのようである。