1.日本弁護士連合会が、人権擁護大会で、死刑廃止宣言をしたのは皆さんご存知だろう。その時に、瀬戸内寂聴(以下も文中全て敬称略)が「「殺したがるばかどもと戦ってください」と発言した」という。「「ばか」」はいかがなものかと思う、とまずはお断りしておいて。
2.最近、フリーアナウンサーの長谷川豊が仕事を失う状態になっているという。そのきっかけになったブログの記事が、『本気論 本音論 長谷川豊公式ブログ「医者の言うことを何年も無視し続けて自業自得で人工透析になった患者の費用まで全額国負担でなければいけないのか?今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」』(タイトル修正後。*注2参照。http://blog.livedoor.jp/hasegawa_yutaka/archives/48479701.html
)である。「周囲が注意しても聞かず、病院に行っても先生の言うことを聞かず、何年もかかって体を蝕み、何年も周囲に迷惑をかけ続けているバカたちが(略)お金を出して栄養バランスの良い食事をとっている人たちから保険料を巻き上げている」ことをアリとキリギリス(イソップ)に例え、「キリギリスは餓死しなければいけない」と説く。
3.この論理は、悪いことをした奴は自業自得だから死ね!ということのように思う。これは、瀬戸内の「「殺したがる」」人たち、すなわち死刑廃止を非難する人も同じ論理である。
4.で、この論理の妥当性に問題があること、ならびに、この論理の人が正確な知識を持っているかは疑問である。死刑廃止については読者の皆様に考えてもらうとして、長谷川豊で言えば、「全額国負担」(ブログのタイトルより)ではないからなぁ、そもそも(自己負担があるから)。