清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

移民について いろいろあるよ 考えが

1.最近、『移民の経済学』(ベンジャミン・パウエル、編。東洋経済新報社)という本を読了。筆者が読み、理解した限りで内容をザックリ書くと、経済学的には移民はメリットが多く、デ・メリットと思われるもの(例えば財政負担、労働者間の競争)があっても、それは短期的なものであり、長期的にはメリットが上回る。ただ、実際には価値判断の問題があり、どういう政策を採用するかの意見が分かれている、というものである(筆者のレビューも参照のこと。https://www.amazon.co.jp/review/REQ5GC7B8CCVY/ref=cm_cr_rdp_perm?ie=UTF8&ASIN=4492314881
)。

2.ところで、『移民の経済学』を読んでいる前後に、以前録画しておいたNHKBS1BS世界のドキュメンタリー 難民村の郵便配達夫」(2017年4月14日0時から放送。2016年フィンランド/ブルガリア。作品のあらすじについてはhttp://www6.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/?pid=170414
NHKのHP)も参照のこと)を観た。これも筆者が観て、理解した限りで内容をザックリ書くと、ブルガリアのゴリアム・ラルヴェント村で村長選挙があり、イヴァンという郵便配達夫が、難民を受け入れて住まわせることを公約にして村長に立候補したという話。本エントリーと関係ないことを書くと、村長ヴェサはろくに仕事をしないように描かれていたり、村長選に落選したイヴァンとハラチェフは村長選後難民を運ぶ仕事をしたが、悲劇的な結末を迎えたり。

3.閑話休題。「難民村の郵便配達夫」では、寂れた町に移民(難民)を定住させるとメリットがあるかのような内容。しかし、『移民の経済学』は、比較優位という、経済学でお馴染みの概念まで用い、発展途上国から先進国への移民のメリットを説いている。『移民の経済学』の主張が妥当だとすると、過疎の村が移民を受け入れるとメリットがあるんだろうか、と考えてしまった。また、一旦さびれると人を受け入れるメリットがなくなるとすると、「地方創生」の方法論は、経済学ではないということになるのか、とも。なお、『移民の経済学』p243には,「経済学的にいえば、国境の開放化は国内の地方から都市部への大規模な人口移動として捉えることができる」(キャプラン/ネイク)とあるので、外国への移民と都市への流入は(控えめに見積もっても)似たよう問題としていいと思う。

4.というわけで、本エントリーの少々強引な結論は、仮に『移民の経済学』に書かれていることが妥当として、どのように移民を受け入れるのがいいかを皆さん考えようということ。また、経済学は過疎地域の復興について答えがないのか?ということも考えよう。

*文中敬称略