清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

東浩紀 辞任はグッド ニュースかな(日本なら 脅迫すれば 楽勝だ(3))

「あいちトリエンナーレ2019」の『表現の不自由展・その後」は、脅迫行為等で、残念ながら2019年8月3日に中止になったが(*1)、その中でも一服の清涼剤と言えるニュースを。

 

産経新聞「愛知芸術祭アドバイザー東浩紀氏が辞意「善後策提案採用されず」」*2 によると、東浩紀さんが辞任したという。

 

産経新聞の記事によると、

慰安婦を象徴する少女像について「政治的に利用されてしまった」とし、昭和天皇を扱った作品は「過激な表現が多くの市民にショックを与えた」と分析。「外交問題に巻き込まれたこと」と「市民への説明不足」について誠実に謝罪し、市民や作家を巻き込んだ議論を行うべきだと津田大介芸術監督に提案したと明かした。また「『表現の自由』vs『検閲とテロ』という構図は、津田さんと大村(秀章愛知県)知事が作り出した偽の問題だ」とした

とのことだが、こういう能力のない人の辞任は、短期的には残念だが、長期的に、ならびに、日本のためには大変結構である。

 

そもそも「『政治的に利用されてしまった』」て、誰が?脅迫行為?犯罪がか?

 

「『過激な表現が多くの市民にショックを与えた』」として、何か悪いの?芸術作品ってそんなものだろ。ピカソゲルニカの展示も問題なのか?

 

「『外交問題に巻き込まれたこと』」もよくわからなので飛ばして、 「『市民への説明不足』について誠実に謝罪し、市民や作家を巻き込んだ議論を行うべきだ」って、そんな暇があったら再開しかないんだって、暴力に屈しないためにも。なお、「『説明不足』」という事実がないのは、*3と*4をご覧ください(もっとも、*4は微妙だが)。

 

「「『表現の自由』vs『検閲とテロ』という構図は、津田さんと大村(秀章愛知県)知事が作り出した偽の問題だ」」とするが、じゃ、本物の問題は?

 

暫定版だが、東さんの答えは、*5にある。それによると、「それ以上はいえません」だって。それじゃわからないよぅ。

 

 現状では、東さんが言う「「表現の自由」vs「テロと検閲」という構図にすべてを還元する構図」(*5)以外の判断が難しいのは、東さんの説明が足りないからである。

 

まぁ、肝心なこと(犯罪に屈しないことなど)を忘れ、グダグダいう人がいなくなって、結構なことであった。

 

*1 中日新聞「表現の不自由展、中止 あいちトリエンナーレ」(2019年8月4日。https://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2019080402000069.html

*2 2019年8月14日23時19分。https://www.sankei.com/life/news/190814/lif1908140038-n1.html

*3あいちトリエンナーレ2019HP内「表現の不自由展・その後【展示は中止しております】」https://aichitriennale.jp/artwork/A23.html

*4あいちトリエンナーレ2019テーマ・コンセプト解説(以下のアドレスの右下。https://aichitriennale.jp )

*5 東浩紀さんの2019年8月15日0時40分のツイート。

https://twitter.com/hazuma/status/1161663801613139968

なお、東さんのその他のツイートは精査していません。

 

追記 Buzzfeed News「東浩紀があいちトリエンナーレのアドバイザー辞任へ 「“表現の自由vs検閲とテロ”は偽の問題」」(神庭亮介。2019年8月14日8時16分。https://www.buzzfeed.com/jp/ryosukekamba/azuma

)に東さんの、本エントリーで検討した内容より詳しい言い分がある。

 

 今回「表現の不自由展」が展示中止に追い込まれた中心的な理由は(略)天皇作品に向けられた一般市民の広範な抗議の声にあります。津田さんはここに真摯に向かい合っていません。/それら抗議は検閲とはとりあえずべつの問題です。日本人は天皇を用いた表現にセンシティブすぎる、それはダメだと「議論」することはできますが、トリエンナーレはその日本人の税金で運営され、彼らを主要な対象としたお祭りでもあります。芸術監督として顧客の感情に配慮するのは当然の義務です。/この問題を「表現の自由」vs「検閲とテロ」の構図でとらえているかぎり、そこには出口がありません(略)津田監督は、早急に、表現の自由は守る、「だからこそ」の展示中止であり再設定なのだという論理をつくり、作家を説得しなければなりません。(略)/(略)海外のアーティストは表現の自由を訴えている。けれどもそれは日本の市民には特定のイデオロギープロパガンダに賛同する党派性のように見える。このようなねじれを作り上げた責任は津田さんにあり、彼はそれを早急に解きほぐさねばなりません。/ぼくは今回アドバイザーを辞任しましたが、ぼくが辞任したのは、このようなことを自由に言うためでもあります。今後、「海外の現代美術作家」vs「日本の市民」という不毛な対立構図が作られないよう、微力ながら情報を発信できたらと考えています(略)。

 正直、(何言ってるんだ、コイツ)としか言いようのない話である。

 

もちろん、「抗議」は「検閲」のわけがない(後者は行政権が行うものだから(判例))。しかし、「顧客の感情に配慮するのは当然の義務」などと言い出したらすべての展覧会ができなくなる(「顧客の感情」は千差万別だから)。

 

「津田監督は、早急に、表現の自由は守る、「だからこそ」の展示中止であり再設定なのだという論理をつくり、作家を説得しなければなりません」もよくわからない。安全を確保したから、また、完全に犯罪行為を防げないから、再開、だってあり得る話だろう。現状のテロに屈している状況を肯定的に評価することはできないし。

 

「海外のアーティストは表現の自由を訴えている。けれどもそれは日本の市民には特定のイデオロギープロパガンダに賛同する党派性のように見える。このようなねじれを作り上げた責任は津田さんにあり」って、ないない(苦笑)。日本の市民を馬鹿にするのもいい加減にしろ(日本の市民が多様なのに対し、アーティストが表現の自由を訴えるのは一様でも正しいから)!

 

「「海外の現代美術作家」vs「日本の市民」という不毛な対立構図が作られないよう」って、それを作ったの、東さん。勝手にアジェンダ設定して人(芸術監督の津田大介さんのこと)のせいにしないでよ。