清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

自由抑圧 だから無視なの 当たり前

日本のマスメディアは、韓国に関しては、ありとあらゆることを書いて否定する印象があるが(一例:NEWSWEEK日本版「K-POPも韓流ドラマも実は世界で売れていない? 韓国のコンテンツビジネス、ダントツの稼ぎ頭は......」(ウォリックあずみ。2020年8月3日21時15分)

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K-POPだけじゃない!」くらい書けないものか。というのは、記事に「K-POPでは、BTS防弾少年団とBLACKPINKなど韓国アイドルグループのグローバル人気で前年比13.4%増とコンテンツ輸出額増加に貢献している」とあるから)、以下に紹介する読売新聞2020年8月9日統合版13版9面に、読売新聞ソウル支局長・豊浦潤一さんの「ワールドビュー 「英雄」の死 文政権の冷淡」もその類である。本エントリーでは「「英雄」の死 文政権の冷淡」を検討する。

 

 朝鮮戦争(1950~53年)を最前線で指揮した白善燁(ペクソンヨプ)・韓国陸軍元参謀総長が7月10日に99歳で亡くなった。

(略)

 17年前、白氏にインタビューしたことがある。「三度の食事も満足に出来なかった貧しい韓国が今、豊かさを享受している。朝鮮戦争で統一は果たせなかったが、自由と独立は手に入れた」と語った。自由主義陣営の最前線を守り抜き、繁栄の基礎を築いたという自負が伝わってきた。

 

 だが、文在寅(ムンジェイン)大統領はその死に冷淡だった。元慰安婦の葬儀の際には弔問に訪れたのに、白氏には弔花を送っただけだった。

 

 白氏は建国前の43~45年、日本の影響下にあった満州国軍の特設隊に属し、朝鮮人を含む抗日ゲリラ討伐にあたった経歴があるとして、文政権を支える左派が「親日反民族行為者」とみなしているためとみられる。48年の建国から87年の民主化まで韓国の主流だった保守政権が、自由を守る国是として「反共」を掲げ、左派や民主化運動を弾圧したことへの反発も根強い。

              豊浦潤一「「英雄」の死 文政権の冷淡」

そりゃ、そういう経緯があれば、弔花を送るだけなの、当たり前じゃん。花を送っただけでもいいんじゃないの?

 

あとは本筋から外れるが2点。

 

第1に、「左派」と「保守」は対義語ではない。だから、豊浦さんは、日本語を知らないと馬鹿にされて、もう記事を書くのは無理だろうな、と思った。左派の対義語は右派で、保守の対義語は革新。何らかの意図はあるのだろうが、その意図があっても日本語を知らないと馬鹿にされることに変わりはない。

 

第2に、この文脈で「保守政権」という言葉を使うと、保守政権は暴力的であるというイメージになってしまう。「「英雄」の死 文政権の冷淡」の「保守政権」、それは軍事独裁政権のことである。なお、「自由主義陣営」だからと言って、自由という価値観を共有しない国と組むことはある(サダム・フセイン大統領のイラクだとか)。自由という価値観を守るというより、社会主義共産主義を敵視するのが「自由主義陣営」の大義である。

 

 左派は建国の父、李承晩(イスンマン)初代大統領の功績も認めようとしない。(略)

 

 李仁栄(イインヨン)統一相は7月23日、就任前の国会の人事聴聞会で、李承晩を国父と認めるかどうかを問われ、「違うと思う。金九(キムグ)がよりふさわしい」と述べた。金九は、日本の要人暗殺を主導した独立闘士で、建国の際は、南北統一政府の樹立を模索した民族主義者だ。

 

              豊浦潤一「「英雄」の死 文政権の冷淡」

 正直、そういう観点もある(暗殺はよくないが、植民地支配を忘れてはいけない)としか言えないなぁ。

 

 韓国で今年発行された歴史教科書は、大日本帝国や保守政権と戦った「抵抗の歴史」の色彩が一層強まったように見える。近年、日本に対する歴史問題の蒸し返しが止まないのは(略)

              豊浦潤一「「英雄」の死 文政権の冷淡」

 別に「蒸し返し」ているわけじゃないけどね。慰安婦問題であれ、

 

kiyotaka-since1974.hatenablog.com

 で取り上げた元徴用工が原告の判決であれ、国交締結時に話し合われていなかったことが議題になっているだけである。読売新聞は、韓国語の出来るスタッフがおらず、韓国の裁判所の判決を理解する能力もないようである。

 

 自国の発展を支えた先人や、自由という共通の価値観で結ばれた隣国を負の側面からのみとらえていては、国内外の分断は深まり、民族の力量を発揮することはできないのではないか。

              豊浦潤一「「英雄」の死 文政権の冷淡」 

 いくら「自国の発展を支えた先人」でも、「左派や民主化運動を弾圧」すれば評価しないのは当たり前だろ。「自由という共通の価値観で結ばれた隣国を負の側面からのみとらえていては」の「隣国」が突然出てくるが、「隣国」を「負の側面からのみとらえてい」る根拠が明らかではないし、「自由」の問題ではなく、被害の賠償や被害の救済が当然であるという「共通の価値観」を韓国と海を隔てた「隣国」が共有しているはずだが、「隣国」の方がそういう価値観を持っていないというのが現在の問題である。