まずは、当ブログで「徴用工」で検索した結果のアドレスを示す。
https://kiyotaka-since1974.hatenablog.com/search?q=%E5%BE%B4%E7%94%A8%E5%B7%A5
そのうえで、最近読んだウェブ記事の中で、いわゆる徴用工問題について興味深いものを紹介する。
それは、ハンギョレ「『強制動員、日本企業は被害者と和解し、日本政府は阻止してはならない』」(2022年9月14日10時19分(11時56分修正))である。
いわゆる2015年日韓合意*1のとらえ方は間違っているが、いわゆる徴用工問題に関しては妥当なので、是非一読されたし。
上記ハンギョレの記事で、筆者が読んでおいた方がいいと思ったところを、以下において引用する。
「(前略)韓国の被害者から訴訟を起こされた日本企業のうち3社は和解を選択した」
-実際、1997年(旧新日鉄)、1999年(日本鋼管)、2000年(不二越)、日本企業と韓国の強制動員被害者の間で慰労金を支給する和解が3回実現した。どうやって可能だったのか。
「いくつかの要因があった。被害者たちは日本の裁判所で敗訴したが、企業が犯した不法行為は認められた。例えば裁判所は、不二越(現在強制執行手続きが進行中)に対して『学校に通える』などの言葉で10代少女たちをだまして強制連行したと判断した。これを根拠に被害者と支援団体などが企業に責任をとるよう求めた。企業に社会的な厳しい目が注がれた。1995年の『村山談話』や1998年の日韓パートナーシップ共同宣言(金大中-小渕宣言)などから分かるように、当時は日本政府が侵略戦争や植民地支配に対して反省し、謝罪を表明した時期でもある。このような社会的雰囲気により、企業も“安心して”和解することができたのだと思う。 当時、日本政府は請求権協定に違反するからやめろとは言わなかった。2012年には新日鉄の株主総会でも、経営陣は強制動員被害者裁判と関連して『法を守るべきだ。判決が下されれば従わなければならない』と述べた。ところが、いざ韓国最高裁の判決が下されると、1965年の協定で請求権は最終的に解決されているというふうに言葉を変えた」
(写真略)
-日本の態度が変わった理由は何か。
「安倍晋三元首相の影響が大きいと思う。安倍元首相は歴史修正主義の立場に立って、村山談話、日韓パートナーシップ宣言を実質的に反古にしようとした。7年8カ月にわたる長期政権が成立し、その間、日本社会の空気が大きく変わった。(以下略)」
-日本政府が呼応せず、韓国でも解決策づくりが難航すれば、結局「現金化」と結論が出る可能性が高い。
「現金化が強行された場合、いずれにせよその責任は韓国最高裁の判決を履行しなかった日本企業と、これを妨害した日本政府にある。(中略)1990年代~2000年に3つの和解事例があっただけに、日本企業と被害者が直接会って対話し、解決法を模索するのも良い方法だ。当時は企業の自主的な判断が認められた。日本政府に対し、かつては容認されたのになぜ今では請求権協定を掲げてだめだと言うのか、理由を追及する予定だ」
すでに和解に至った事例が3件あったとは知らなかった。そしてそれをぶっ壊したのを安倍晋三・元内閣総理大臣と認識している。筆者のブログにおいて、「日韓関係 ぶっ壊したぜ by安倍晋三」
kiyotaka-since1974.hatenablog.com
をアップしたが、その証拠がますます増えているようだ。
2022年9月27日は、安倍晋三の国葬儀(国葬)であった。しかし、民間人同士の和解をぶっ壊し、日韓関係を悪化させた安倍晋三に弔意を示すのは、最近K-POPにはまり、朝鮮史の本まで読んだ筆者にはできないことである。
*1:外務省HP「日韓両外相共同記者発表」(平成27年(2015年)12月28日。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/na/kr/page4_001664.html )。なお、この合意に関して国連機関から4度勧告を受けていること(すなわち、批判的である)ことにつき、ウィキペディア「慰安婦問題日韓合意」を参照。