清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

日韓関係 蒸し返すのは 日本だけ

 日韓関係において、話を蒸し返す*1のはいつも日本であるという話。

 

 第1に、慰安婦。2015年の日韓合意*2は必要だったのだろうか。以下に書くことは筆者の推測だが、これは、安倍晋三政権において、「『強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった』として『狭義の強制連行』を否定し」*3たことが最大の理由で、これで慰安婦問題が再燃したということである。もちろん、アジア女性基金という解決が「日本政府の『法的責任』を明らかに」*4しなかったことも大きいだろうが*5

 

 第2に、レーダー照射。LITERA「日韓対立はやはり安倍首相の“韓国に報復”指示から始まっていた! 徴用工問題に妄執し国益無視のネトウヨぶりが明らかに」(2019年9月5日11時29分。

https://lite-ra.com/2019/09/post-4948.html

)によると、

 昨年末、レーダー照射問題が勃発した際は、防衛省が安全保障の協力体制にヒビが入ることを恐れて内々に処理しようとしていたのに、安倍首相が問題を顕在化させ、「鶴の一声」で「証拠」とする動画公開を決定した。時事通信はその裏側を〈元徴用工訴訟をめぐり日本企業への賠償判決も相次ぎ、首相は「韓国に対し相当頭にきていた」(自民党関係者)〉と伝えている(2018年12月28日)。

とのこと。

 

 時事通信の原文はないし、LITERAだから*6というのもあるが、これも、内内で処理できる程度の話を、安倍が蒸し返した事例とも言える。

 

 第3に、徴用工。以前筆者は「日本製鉄よ なぜ和解しないんだ?」*7、ならびに「日韓関係 ぶっ壊したぜ by安倍晋三*8において、不適切に文春オンラインの菅野朋子「元徴用工訴訟・日本製鉄の資産が今日から現金化可能に 『彼らさえ動けば……』原告側が語る“落とし所”」(2020年8月4日。

https://bunshun.jp/articles/-/39465

)を紹介してしまったが*9、2013年時点で、当時の日本政府(安倍晋三内閣総理大臣の政権)が被告企業の和解を圧力をかけて潰したと、LITERA「徴用工判決ヒステリーの日本マスコミが触れない事実…安倍政権が新日鉄住金に圧力をかけ“和解”を潰していた!」(2018年11月1日10時32分。

https://lite-ra.com/2018/11/post-4345_2.html )が、新聞を引用して記している。筆者はLITERA「徴用工判決ヒステリーの日本マスコミが触れない事実…安倍政権が新日鉄住金に圧力をかけ“和解”を潰していた!」に引用されている新聞記事を調べていないが、もしそうだとしたら、徴用工も安倍晋三政権が蒸し返したので話がややこしくなったというのが真相としてよい。何もしなければ和解で解決し、原告も癒され、被告の企業イメージもアップし、日韓両国民もわだかまりなく日韓交流を楽しめただろうに、日本政府が要らぬことをするのでこれらの実現が遠のいてしまった。

 

 なお、産経新聞電子版「日本政府『求償権』で譲歩 『歴史戦』再燃の懸念も」(2023年3月16日21時11分。広池慶一。有料プラン記事なので無料部分のみ筆者読了。

https://www.sankei.com/article/20230316-U7W6XPY265LFZPTAD4XRF3UOR4/ )によると、

韓国財団が拠出した賠償金の返還を被告の日本企業に求める「求償権」の放棄を韓国側に確約させず、関係改善を優先した形だ。そのため韓国で反日ムードが高まったり、政権交代が起きたりすれば、「歴史戦」が再燃する可能性を残している。

とするが、正当な権利の行使を蒸し返しとするのは難しいであろう。

 

 というわけで、日韓関係において蒸し返しをしているのは、日本政府、もっと言うと安倍晋三をはじめとした自由民主党政権である。

 

*1:コトバンク「蒸返」(むしかえし)の、③の意味で用いる。

*2:外務省HP「大韓民国 日韓両外相共同記者発表」(2015年12月28日。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/na/kr/page4_001664.html のこと。なお、コトバンク「日韓合意」もご一読(ただし、国連機関レベルの勧告があることを一切載せていないところがダメではある。後述『武器としての国際人権(略)』pp.239-244をご一読))。

https://kotobank.jp/word/%E6%97%A5%E9%9F%93%E5%90%88%E6%84%8F-1720116

*3:『武器としての国際人権(略)』(藤田早苗、集英社新書、2022)p.240。この近辺を読めば、慰安婦問題がなぜ未だに国際的な問題になるのかの背景がわかる。

*4:コトバンク「日韓合意」の表現。

*5:日韓基本条約等の締結時に何ら話し合われていなかったとして、法的責任を認めてなぜ悪かったのかがわからない。2015年の日韓合意でさらに「10億円を一括供出」(コトバンク「日韓合意」)することになったようにしか見えない。

*6:自由民主党政権に厳しい記事が多く、偏っているのではないか?という懸念がある、ということ。

*7:

https://kiyotaka-since1974.hatenablog.com/entry/2020/08/05/213242

*8:

https://kiyotaka-since1974.hatenablog.com/entry/2021/02/03/223948

*9:日時の確認が不十分で、判決後の話なのをうっかりしていた。その点はお詫びするが、菅野の記事は背景がわかる有用な記事ゆえ、読者に資するために記事は取り消さない。