今日2023年1月15日の読売新聞統合版12版10面の「展望2023 人々の声 正確な縮図に」(世論調査部長 湯元浩司)*1が面白かったので、以下、引用しつつ検討する。
読売新聞社が毎月実施する電話全国世論調査は、世論を「10万分の1」の縮図で再現する作業だ。1億人の有権者から、無作為に選んだ1000人の声を集めている。
そうだが、その方法は、「家庭の固定電話への調査」*2とのことだが、実際の世論調査の方法は、例えば、読売新聞オンライン「2022年12月 電話全国世論調査 質問と回答」(
https://www.yomiuri.co.jp/election/yoron-chosa/20221204-OYT1T50156/
)によると、
【調査方法】12月2~4日に、コンピューターで無作為に作成した固定電話と携帯電話の番号にかけるRDD◎方式で18歳以上の有権者を対象に実施。固定では有権者在住が判明した722世帯の中から434人、携帯では応答のあった1516人の中から635人、計1069人の回答を得た。回答率は固定60%、携帯42%。
といったところで、固定電話と携帯電話で調査するようである。
湯元によると、
家庭の固定電話への調査は、最初に高齢者や女性が出ることが多い。そのまま質問を始めると回答が偏る。「同居する有権者の人数」を訪ね、そこから無作為に回答者を選ぶ「一手間」をかける。*3
という。一方、
一部の報道機関は、機械式自動音声の世論調査を採用し、ルールも簡略化している。負担軽減が理由だろう。だが、回答に野党支持者が多すぎるなど、縮図はいびつに見える。*4
とのこと。
携帯電話の場合に、例えば番号で男性か女性かわかるわけがないから*5、せっかく固定電話への調査においてわざわざ一手間をかけてもそれほど正確に反映できるとは思えないが、肝心なのはそこではなく、機械式自動音声の世論調査だと、「回答に野党支持者が多すぎる」というところである。
仮にそうだとすると、「最初に高齢者や女性が出ることが多い」*6とすれば、高齢者や女性は野党支持、裏を返せば自由民主党は支持しないということになる。
だいぶ前に筆者は、「自民党 女にモテない 政党だ」
kiyotaka-since1974.hatenablog.com
という記事をアップしたが、投票の面でもそういうことがあるのかもしれない。
高齢者がなぜ自由民主党を支持しないのかはわからないが、「男らしさ・女らしさ」にこだわる自由民主党を女性が支持しないとすれば、合理的である。「自由民主党 男らしさ 女らしさ」でググったところ(アドレス略)、「自民党過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム会合(7月7日)*7提出資料」なるものを見つけた。
https://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/keikaku/siryo/pdf/12-1-2.pdf から。資料1は、おそらく右側が自由民主党のプロジェクトチームの見解と筆者は推測した。一部妥当なところも散見されるが*8女性がこれを見たら、自由民主党を支持しないだろうな、と思われる内容が多い印象であった。
現在の自由民主党が、2005年7月7日の資料のような考え方が主流ではないことを信じたいが、読売新聞の世論調査部長が暗ににおわせたこと*9は、反省材料だろう。
*1:読売新聞の読者会員であれば、ウェブでも見られる。
https://www.yomiuri.co.jp/election/yoron-chosa/20230114-OYT1T50173/
*2:読売新聞2023年1月15日統合版12版10面「展望2023 人々の声 正確な縮図に」
*3:*2に同じ。
*4:*2に同じ。
*5:「【調査方法】」以下の引用文を再読されたし。
*6:*2に同じ。
*7:男女共同参画局HP「第12回男女共同参画基本計画に関する専門調査会議事録」(
https://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/keikaku/gijiroku/ke12-g.html
)に、「資料1「自民党過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム会合(7月7日)提出資料」です」とあるので、2005年7月7日の資料と思われる。
*8:いちいち触れない。
*9:「仮にそうだとすると」以下の段落を再読されたし。