清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

透明性 よりも大事な 自由かな

 自由民主党政権*1が、学問の自由という重大な人権にまたも挑戦しようとし、日本国を壊そうとしている話。

 

 読売新聞オンライン「日本学術会議法改正案、会員候補選定巡り第三者の選考諮問委を設置へ」(2023年2月16日12時55分)

www.yomiuri.co.jp

によると、

 政府が今国会に提出する日本学術会議法改正案の概要が判明した。会員候補の選考を巡り、第三者有識者でつくる「選考諮問委員会(仮称)」を新設し、事前に諮問することで、人選の透明化を図る。

(中略)

 現在は、学術会議の会員が次期会員候補を推薦する仕組みだが、人選の偏りが指摘されていた。改正案では、会員以外による推薦を認め、年齢や性別、所属機関、所在地域などに「著しい偏りが生じないようにする」との配慮事項を設けた。

 諮問委の委員は、学術会議会長が任命し、会議は、諮問委の意見を「尊重しなければならない」と明記した。

という。

 

 これに対しては、朝日新聞デジタル「学術会議改革めぐる政府案、『根本的に再考を』 歴代5会長が初声明」(有料記事。嘉幡久敬。2023年2月14日 21時30分)

www.asahi.com

の無料部分を読むだけで政府案に問題があることがわかるので、ぜひ併読されたし。

 

 自由民主党政権のやることは全然変わっていないし、民主党政権でも改まらない。すなわち、かつて、小泉純一郎政権の下、国立大学を法人化し、それに伴い、「学内合議体の議にのみ基づいて」学長や学部長を選んでいたものを、新たに学長選考会議を設けて、学外委員を選考に加わらせることにしたこととそっくりである。この段落について、詳しくは、『「私物化」される国公立大学』(駒込武・編、岩波ブックレット、2021。なお、「学内合議体の議にのみ基づいて」は同書p.4の表現であり、内容は同書pp.4-5を参照した。

 

 これらはともに、自由民主党政権による、自由な社会への挑戦である。先ほど紹介した『「私物化」される国公立大学』からの引用は、実際には「政府(略)による大学の人事への干渉」*2になっているし*3、今回の日本学術会議の政府案も同じである。

 

 『「私物化」される国公立大学』には、自由民主党政権の狙い(の推測)も書かれているが、それは読者各自で読んでもらうとして、自由民主党の議員さんよ、そんなに自由な社会が嫌いなのか? 自由な社会が嫌いであれば、日本に存在してはいけないんじゃないか。

 

 

*1:現在は公明党との連立政権。

*2:芦部信喜憲法』(岩波書店。筆者は「新版補正版」p.157を参照したが、読者は最新版で確認されたし。

*3:『「私物化」される国公立大学』を読めばわかる。