YOMIURI ONLINEによると(『オウム松本死刑囚の主任弁護人、仙台弁護士会が懲戒審査へ
』(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071030i115.htm?from=navr)
、「仙台弁護士会の綱紀委員会が、」死刑判決を受け控訴していたオウム真理教の元教祖の「主任弁護人だった松下明夫弁護士について、「弁護人の職責に反した」として、懲戒委員会で審査を求める議決をし」たという。
たしかに、出せばいい控訴趣意書を出さなかったこと(提出する資格の無い原審の弁護人が提出しても違法ではないという判例もある。なお、「原審の弁護人」は被告人のために控訴することはできる(刑事訴訟法第355条。刑事訴訟法第376条第1項の「控訴申立人」とはイコールではない))は咎められてもやむを得ないので、審査を求める議決は当然である。
しかし、本当に重要なことが置き去りにされているような気がしてならない。それは、死刑を言い渡された者(市民的及び政治的権利に関する国際規約第6条第4項)の人権ということである。たしかに、刑事訴訟法第376条第1項(刑事訴訟規則第236条)に定められた期間内に控訴趣意書を差し出さなければ、控訴裁判所は、決定で控訴を棄却しなければならない(刑事訴訟法第386条第1項)。しかし、今回のように、被告人自体が妨害行為をしたか明らかでもないのにも関わらず、争う機会を減らしていいのだろうか。それこそ、国際人権規約の精神に反するのではないか。
今回のような事態を防ぐには、死刑が言い渡された場合には、々義兵餔媾颪猟鷭个陵無に関わらず審理をし(被告人の取下げ(刑事訴訟法第359条)以外は認めない)、∧杆鄂佑鉾鷙圓ある場合には、裁判所に、その弁護人を解任し、新たな弁護人を附する権限を与えなければならないだろう。