清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

社保庁が 悪いじゃ検証 なってない

2007年11月1日の読売新聞朝刊11頁(仙台では)に載った「年金記録問題検証委の報告書要旨」を読んだ。

このようなミスを起こした社会保険庁の問題は、当然糾弾されるべきだ。しかし、それだけでは、検証ではないのではないか。いくつか例をあげたい。

最初から「使命感、責任感が欠如していた」と書いてあるが、実際そうであっても、精神に求めるのは最悪である。というのは、精神さえしっかりしていなければ防げたでは検証とはいえないからである。

次に、年金制度の頻繁な改正に触れているが、それの方が大きいのではないか。変える回数が増えれば、ミスが増えるのは誰でもわかりそうなものだ。

第3に、そもそもどうして年金が一元化されていないのだろう。転職のたびに申告するときにミスが生じやすいのもわかりそうなものだ。

第4に、コンピュータシステムの開発・運用が特定の開発事業者に依存することが悪い理由もよくわからない。いろいろな会社が絡むほうが複雑化して、ミスも多くなるのではないか。また、社会保険庁が自らシステムの設計等はできるものなのだろうか。

第5に、国税庁や旧郵政省などは、不正防止・摘発の処理について相応の体制を整えていたそうだが、それはどんなものか。また、それは、社会保険庁に応用可能か。

第6に、三層構造(キャリア―本庁ノンキャリア―地方ノンキャリア)は社会保険庁だけだとしても、それが即「ガバナンスの不足した組織」になるのか。

第7に、職員団体(民間企業の労働団体に相当)が「待遇改善を目指すことに偏りすぎ」、「業務の改善に取り組まなかった」ことを批判しているが、そもそも職員団体は、待遇改善が重要なので(民間企業の労働団体に相当するならば当然のことだ)、この批判は筋違いなのではないか。

第8に、社会保険庁職員については、自覚の有無に関わらず、関わりに応じた責任の一端はあっても、ミスをしていない職員は責められないのであって、検証になっていない。

第9に、社会保険庁長官や厚生(労働)大臣の責任を問うのはよいが、誰のときにどうすべきかを明らかにしなければ検証とはいえないのではないか。

私が要旨を一読した限りでは、はなはだ不十分な検証だと思ったが、皆さんはどう思われましたか。上記の新聞などでご一読を。