清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

金美齢 歴史知らずの 人非人

読売新聞2009年2月23日朝刊12面(仙台では)に、『2009思潮 2月 「「派遣村」切迫の共鳴 「家」「地域」再評価で一致』が面白かった。以下、引用しつつ、検討する(なお、以下のカギカッコ内は、上記記事から引用)。

「意見」と断った上で、「金美齢氏による「日本の若者、ハッキリ言って『甘えすぎ』です」(『諸君!』)」を取り上げていた。私も立ち読みしたが、どうせ印象論のたわ言にすぎないと思ったので、あまり詳しく読んでいない。

それはさておき、金美齢さんは、以下のように書いたそうだ。すなわち、「世の中いくら大変だといったって、半分以上の人はみなまともに働いています。なぜ自分がこうなってしまったのかということを本人がまず自覚して、自分の両脚で立つ努力をしないと基本的にはどうしようもないでしょう」と書いたそうだ。

もしそうなったら、ほとんどの人が「そんなこと考える前に、安定した仕事くれよ!」と思うだろうな。

実際の答えを書くと、それは、製造業への派遣解禁(小泉政権下)など、雇用の流動化を促進した政策にたまたまはまっただけだということである。金さんが若い頃にはなかった状況が生じているのである。そんなことも知らずに批判しても、私は人非人としか思わないな。

もし、このような事態が不条理だと思ったら、製造業への派遣を禁止することが考えられるが、コストの問題などで、難しいことも書いておく。

湯浅誠さんの論文も読んでいないが、湯浅さんは、「「派遣村は何を問いかけているのか」(『世界』)」で、「(「派遣村に来た人の生活保護申請が「甘えだ」との批判を読んだことに対しては」)働く気がないから生活保護を受けるのではなく、住居もない状態では就職活動すらできないので、まずは生活保護を受けるところから自立の一歩を始めるしかない」と書いたそうだ。

私は「住居もない状態」は経験ないのでわからないが、イメージとしては湯浅説は正しいと思う。もし湯浅さんを批判したいのならば、「住居もない状態」でも住居のある状態と同様に就職活動ができることを証明してからにしてほしいものだ。それすらしないで批判している人は、私に言わせると人非人だ。

一般論で言うと、資本主義社会は、社会主義より経済がうまくいく反面、不況や失業は不可避で、そうなったら誰かが救うべきだということになる。保守系の読売新聞だからか、「「家」「地域」再評価」という方向に持っていこうとしているが、「家」「地域」の都合もあるので、結局は、国が何とかしなければならないことが多かろう(もっとも、生活保護の窓口は、実際は地方公共団体という「地域」だが)。

なお、「社会的連帯実現のためには高い税負担を受け入れる必要があり、かつ連帯は外部の人々を排除する可能性がある、といった指摘」(「政治学者の杉田敦・法政大教授の「道徳的非難の政治を超えて」(『世界』)」に書かれているようだ)はかみしめなければならないだろう(税負担はいいが、連帯の外部排除問題は考えないといけないと私も思った)。