清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

徴用工で 破綻しつつある 読売が

昨日、今日の読売新聞を見ると、いわゆる徴用工判決において、日本政府、ならびにそれを忠実に伝えるとされる読売新聞が破綻しつつある様がうかがえる。

 
まず①2018年12月5日朝刊12版11面、坂元茂樹「韓国は自ら締結した協定守れ」。
 
坂元さんは、同志社大学教授で、専門は国際法。だから、素人風情が噛みついてはいけないのだろうが、いくつか疑問点があったので以下指摘する。
 
第1に、「韓国政府は『司法府の判断を尊重する』との立場だが、その前に、国際法の基本原則に反する判決が出ないよう、外交関係に責任を負う行政府として、協定の合意内容を正確に法廷で述べるべきだった」とあるが、そんなことできるのだろうか?そもそも韓国政府は被告だったり、原告だったのだろうか?(たぶん違う。山本晴太さん(福岡県弁護士会所属 弁護士)が制作・管理している『法律事務所の資料棚アーカイブ』にある「2018.10.30 新日鉄住金事件大法院判決(仮訳) 」(http://justice.skr.jp/koreajudgements/12-5.pdf
)をご一読)。もし法廷外でやれば司法権に対する介入にしか見えないけど。韓国も日本同様三権分立なのも知らなかったようだ。大韓民国憲法第103条(http://www.geocities.jp/koreanlaws/kenpou.html#ch5
参照)。
 
第2に、「韓国大法院の判決は、旧条約の効力に関し、最終的に日韓基本条約で『もはや無効であることが確認される』(第2条)と記した当時の日韓両国の妥協を受けいれず、『旧条約は当初から無効であり、日本による植民地支配は不法である』との一方的主張に依拠している。これは条約解釈として問題がある」とあるが、そう言えるか、実は疑問である。
 
)によると、「解釈に相違がある場合には、英語の本文による」とある。
 
で、同じくデータベース「世界と日本」にある英語の本文(http://worldjpn.grips.ac.jp/documents/texts/docs/19650622.T1E.html
)を見ると、“Article II
 
It is confirmed that all treaties or agreements concluded between the Empire of Japan and the Empire of Korea on or before August 22, 1910 are already null and void.”となっている。
 
“already”があるので微妙だが、“ null and void.”というのは、法律上無効の意味である(goo辞書「null」より。https://dictionary.goo.ne.jp/word/en/null/#ej-58015
)。法律上無効ということは、普通は「『当初から』」効力を生じないことである。韓国の「条約解釈」を「一方的主張」ととらえるのは難しそうである。
 
せっかく学者先生のお墨付きをもらったのに、そのお墨付きが根本的に疑問なことがわかってしまい、新聞の信用に傷がついたようである。
 
②「『反日の対価は高くつく』韓国紙、文政権批判も」(YOMIURI ONLINEより。https://www.yomiuri.co.jp/world/20181206-OYT1T50001.html
)。2018年12月6日朝刊12版7面にも記事があるが、「保守」「中道」に限ってのようだが、政権批判ができているようである。「『安倍政権の機関紙』」(池上彰/佐藤優『僕らが毎日やっている最強の読み方』(東洋経済新報社、2016)p71)だとか、「朝日や毎日や東京新聞は政権に目を光らせている。そもそもジャーナリズムとはそう言うものだが、読売や産経もきちんと役に立っている。現政権が何を考えているかを知るには便利だからだ」(プチ鹿島「朝日から産経まで 日本の『6大新聞』 その傾向と対策」(『文藝春秋オピニオン 2019年の論点』(文藝春秋、2019(ただし12月6日時点ですでに市販されている)))だとか評価されている(政権べったりと評価されている。筆者の主観ばかりとは言えないことの証明として引用)読売新聞ではできない批判のようである。しかし、被害者の救済を加害者がするということって、そんなに批判されるべきなのだろうか?