清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

自由なら 技術流出 普通では?

 先日、『図解 はじめて学ぶみんなのビジネス』(ララ・ブライアンら。浜崎絵梨・訳、髙橋郁夫・監修。晶文社、2021)を読了した*1。そのp.89に「ベンチマーキング」*2という用語が出てくる。「他社の大工場ではどんなふうに作ってるのか、参考にしてるんだ」という文章もある。企業秘密を見せてくれるとは思わないが、他社を見学するということがあるようだ。

 

 一方、話題になっているのは、経済安全保障である。今日の読売新聞統合版1面に「緊急提言のポイント」として「半導体工場の国内立地など、経済安全保障の取り組み強化」とある。日本経済新聞電子版「半導体製造『世界に匹敵する支援を』 経済安保相」*3によると、「他国への技術流出やサプライチェーン(供給網)の寸断を防ぐため、経済安保政策を強化する考えを示した」という。台湾の工場を誘致するのは大丈夫か?というツッコミはどうでもよく、自由貿易の建前からはズレた話のように思う。自動車と半導体は違うのだろうが、『図解 はじめて学ぶみんなのビジネス』p.89の「ベンチマーキング」の話とは程遠い内容に思える。

 

 当然こういうことであれば、스파쿨(スパクr*4。@RaySpark08)さんの2021年11月8日20時8分のツイートが身に沁みるので、最後に取り上げる。

 *5

 企業秘密があるので単純ではないが、要は、自由な経済であれば、技術流出があるのは当たり前のように筆者は思うということであるが、間違っているだろうか?

 

*1:ごく簡単になってしまったが、筆者のアマゾンレビューは

https://www.amazon.co.jp/review/R1GMJDL3G3RKK3/ref=cm_cr_srp_d_rdp_perm?ie=UTF8 。

*2:意味はコトバンクで。

https://kotobank.jp/word/%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0-179040

*3:2021年11月7日11時10分配信。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA070I80X01C21A1000000/

*4:"r"の部分はパッチムなので、母音を出さないイメージで読む。

*5:なお、「韓国の技術を教えてもらう」=ベンチマーキング、かどうかは、筆者は判断できない。

出口さんから教わる 選挙は投票せよ

 少々古い本だが、先日、出口治明・著『働く君に伝えたい「お金」の教養』を読了した。生き方を考えられる本なので、とりわけ10代後半から20代の人に読んでいただきたい。なお、筆者のアマゾンレビューは

https://www.amazon.co.jp/review/R3DRF93QCUFCJP/ref=cm_cr_srp_d_rdp_perm?ie=UTF8 から。

 

 本書で特に参考になった、というわけではないが、参考になった部分の一つとして、「政治家なんてろくでなしばっかり」(pp.274-277)と「もう選挙で迷わない!メディアの上手な使い方」(pp.277-282)という小見出しのついた、政治に関する部分である。以下、引用しつつ、説明する。

 

 「『いまの政治はよくない』と思っている」なら、「いまの与党と逆の候補者を選べばいいだけの話です」*1

この通り*2で、選挙で投票するのは思ったより難しくないのである。現状に不満があれば与党議員を落とせばいいのである。

 

 もしみなさんがこの事前予想の風向きに賛成だったら、とるべき手段の選択肢は3つ。この3つの中であれば、どれを選んでも構いません。結果は同じだからです。

 

①選挙に行ってその人の名前を書く

②白票を出す

③棄権する

 

 ただし、事前予想が自分の考えと違ったら、とるべき手段はひとつだけ。

 選挙に行き、違う人の名前を書く。これだけです。それ以外に、あなたの意思表示の方法はありません。これが、選挙というものです*3

これも正しい*4

 

 しかし、日本の場合、上記の出口基準では割り切れないものが残る。筆者は以前「連立に 絶望自民も 減らしてる」

kiyotaka-since1974.hatenablog.com

と題して、2012年(第47回)衆議院議員総選挙の投票結果を分析したが、民主党の得票が他党に流出している一方で、自由民主党小選挙区、比例とも)、公明党(比例)の得票が減っていることに注目した。本エントリーで示した基準の一つ「いまの与党と逆の候補者を選べばいいだけの話です」からするとそうはなっていない。一方、当時の「事前予想」は忘れたが、自由民主党公明党が有利となっていれば、それで投票率が戦後最低になったのかな、と思わされた。

 

 まぁ、選挙は、筆者が出口さんの本から引用した部分を基準として、必ず投票に行き、とりわけ「『いまの政治はよくない』と思っている」なら、「いまの与党と逆の候補者を選べばいいだけの話です」という基準を用いることを勧めたい。

*1:『働く君に伝えたい「お金」の教養』p.275。

*2:筆者の主観。

*3:同 pp.278-279。

*4:*2同様、筆者の主観。

選挙目当ての野合 それはね 自公かな

 当然のことながら、選挙目当ての野合は、自由民主党公明党であるという話。

 

 読売新聞2021年11月5日統合版1面の見出しは「18歳以下 現金10万円支給 コロナ支援策 所得制限なし 政府・与党方針」である*1。読売新聞の記事を引用する。

 

 子供への10万円給付を巡っては、公明党衆院選公約で「未来応援給付」として、教育・子育てに使途を限定したポイント付与も含めて主張してきた。これに対し、自民党は、非正規労働者や生活困窮者などを重点的に支援する方針を打ち出し、与党内で調整が続いていた。

 

 あれ、全然主張が違うじゃん。立憲民主党日本共産党などの、いわゆる野党共闘が「選挙目当ての野合」と非難されているのを見聞するが、自由民主党公明党だってそうだと指摘しないのであれば、アンフェアである。

 

 それにしても、おそらく1回だけの10万円支給?何の意味があるのだろう?かつて公明党は、賢明にも民主党政権の「子ども手当」に賛成したが*2、今回の新型コロナウイルス下、それもワクチン接種の効果で経済活動を再開させようという時になぜやるのかがわからない。

 

 今日の読売新聞の1面に戻ると、市場を否定する「賃金を引き上げた企業に対する税制上の優遇措置の拡充」*3もひどい政策である*4。ひどい政策を主張することでつながっているのが自由民主党公明党なのかもしれない。

*1:ブログアップ時点でも否定されてはいない模様。日本経済新聞電子版(会員限定記事)「「18歳以下に10万円」で調整開始 所得制限など巡り」(2021年11月5日15時32分(最終更新21時6分))

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA051CU0V01C21A1000000/?unlock=1

*2:朝日新聞デジタル子ども手当法案、参院厚労委で可決 26日に成立見通し」(2010年3月25日19時37分)

http://www.asahi.com/seikenkotai2009/TKY201003250404.html?ref=reca

 なお、遠藤利明(山形1区の自由民主党代議士)「子ども手当法案が衆議院で可決採決、私は反対しました。」

http://www.e-toshiaki.jp/aisatsu/back/100324.html#top子ども手当反対論ではあるが、所得控除(「特定控除」。現在も復活していない。国税庁HP「No.1100 所得控除のあらまし」

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1100.htm

に「特定控除」は、ない)よりフェアであることを認識できていない時点で、おそらく算数の能力が欠けていると思われる。

*3:読売新聞2021年11月5日統合版1面「賃上げ企業 税優遇拡充(略)」

*4:ここは筆者の私見だが、最低賃金制は市場の否定ではないともいえる。オークションで最低落札価格が設定されるようなものだからである。

中韓に 憧れて 作ればいいだけ

 読売新聞2021年11月5日統合版12版16面に「政権に求める文化・芸術制作」と題する記事があったので検討する。

 

 まずはホリプロ社長の堀義貴さん。

 

 エンターテインメント業界に興味を持つ学生たちに近頃、こんな話をします。

 「今のままでは、30年後に『今日は中国のドラマ、明日は韓国のドラマ。日本の作品は今週1本しか放送していなかったね』と話すようになってしまう」

 

 そんならそんでええやないか。仮にアメリカのドラマが席巻していたらこういう表現になるだろうか?

 

 金の問題は否定しないが、中国や韓国のコンテンツが面白ければ、それを楽しんで、憧れて、アイデアがあれば作品をつくればいいだけである。中国や韓国の作品がいいことを否定する必要はない。

 

 最後に(と書いたが、インタビューに応じているのは2人だけ)多摩美術大学の理事長・青柳正規さん。

 

文化的に深くわかりあっている国とは、深刻な対立にならないでしょう。文化は、最大の安全保障でもあるはずです。

 

 昨今の日韓関係(筆者の興味にすぎず、当然「日中関係」も当てはまる)にも応用できそうな話である。まだの人はK-POPでも韓国ドラマでもいいから、韓国のコンテンツを楽しむべし。逆もまた真であるが(と書いたが、青柳さんが言いたいのはこちら。「さらに、これら(「『ジャパンサーチ』の正式版」などのこと)を海外のデータベースにつなぎ、世界の人々に日本を理解してもらう」とあるから)。

 

 どちらにしても、日本からの発信が必要なのは言うまでもないが、中国や韓国の作品も、(中国なんか嫌いだ~!韓国なんか嫌いだ~!)と思う前に、作品を楽しむ方が、誰にとっても得である。

「里親」より 批判の方が 有害だ

 週刊女性PRIMEが、動物虐待を促進しかねない「報道」をしているという話。タイトルは「立憲・鎌田さゆり、選挙活動に同行させたヤギを当選直後に里親へ→炎上→撤回、さらに炎上」(2021年11月5日)

www.jprime.jp

 

 衆議院宮城2区から小選挙区で当選した鎌田さゆりさんが、「仙台メリー」というヤギを飼っていたが、当選したので次の飼い主に育ててもらうことにしてもらったという話。

 

 正直、それでいいじゃん、としか言えない話だが、立憲民主党の議員さんであれば何が何でも叩こうとするメディアのこと、悪意たっぷりに書いてある(それは上記リンクから読んでください)。

 

 このヤギの場合は意図をもって飼われているので(「『“草刈りのお手伝い”』」*1)何とも言えない点もあるが、仮に野良猫を飼い始め、突如政治に目覚めて立候補し、当選した場合だって次の飼い主を探すのが一案である(ヤギでも猫でも議員宿舎では飼えない*2。ただし、鎌田さんは以前も衆議院議員に当選しているので、議員宿舎で動物を飼育できないことは知っていると推測する)。

 

 もちろん、動物は責任をもって最後まで飼うべきである。しかし、人が生きていれば事情の変化があるもので*3、次の飼い主をさがすことを否定的にとらえてしまうと、最後に被害を被るのは今まで飼われていた動物である。とんちんかんな批判をした主婦と生活社は、これを機に廃業していただきたい。

*1:「立憲・鎌田さゆり、選挙活動に同行させたヤギを当選直後に里親へ→炎上→撤回、さらに炎上」

*2:読売新聞2021年11月5日宮城版19面「立民・鎌田さん 批判あいつぐ」

*3:衆議院議員総選挙に必ず当選すると決まっているわけでもないし、不幸にも飼い主がなくなるかもしれない。前者のみ次の飼い主をさがすを否定するのは難しい。

政権選択 選挙としては どうだろう

 衆議院議員選挙は「政権選択選挙」とされる。いつも思うのだが、そうであるならば、過半数の賛成を得ないと当選できないことにしないとおかしいのではないか*1?この観点で、第49回衆議院議員総選挙小選挙区の部分を分析する。素材は読売新聞2021年11月2日統合版12版12、13ページの「小選挙区 確定投票」による。

 

与党(自由民主党公明党)勝利選挙区中、得票率50%以上の選挙区、割合*2

198選挙区中129選挙区(一騎打ち*354選挙区)65%

野党(日本維新の会は除く)勝利選挙区中、得票率50%以上の選挙区

65選挙区中40選挙区(一騎打ち33選挙区)62%

日本維新の会勝利の選挙区中、得票率50%以上の選挙区

16選挙区中7(一騎打ち0)44%

無所属勝利の選挙区中、得票率50%以上の選挙区、割合

10選挙区中5選挙区(一騎打ち1)50%

 

 気が付いたことを。

 

(1)政権選択選挙という観点からは、日本維新の会が信任されたとみるのは疑問がある場合が多い。

(2)自由民主党は強い。一騎打ちでなくても得票率50%を取れる。

(3)立憲民主党過半数の得票を取った*4のは一騎打ちのところが多い。となると、一騎打ちにすればチャンスが生じているのだから、日本共産党を含めた野党共闘を否定するのは難しい。課題は自由民主党以外の候補者も参入した場合となる。

 

*1:政権は、内閣総理大臣を決めなければならないが、憲法第56条第2項で「議事は(略)出席議員の過半数でこれを決」るとされ、内閣総理大臣の指名の場合、第1回の投票で過半数の賛成を得た候補者がいない場合、上位2名の決選投票が原則である。衆議院規則第18条第3項、参議院規則第20条。

*2:小数点第1位四捨五入。

*3:2人しか立候補しなかった選挙区の当選者の得票率は必ず50%超になる。

*4:なお、日本共産党社会民主党の候補者も各1名当選しているが、50%の得票を取った候補者はいない。

女性進出 ならば採用 比例代表

 読売新聞2021年11月3日統合版「衆院選 女性議員『3割』遠く」を読んだ。噴飯ものだった。以下、検討して理由を述べる。

 

 と大見得を切ったが、噴飯ものである理由は以下に引用するくだりである。

(前略)「市川房江記念会女性と政治センター」理事長の久保公子さんは「(略)様々な背景を持った女性が国会で活躍できるよう、まずは政権政党が先頭に立って尽力してほしい(以下略)」

 

 最近の自由民主党は多少まともになったが、筆者は2011年に「自民党 女にモテない 政党だ」という記事をアップした。

 

kiyotaka-since1974.hatenablog.com

現在の政権与党はそもそも女にモテなかったのだから期待する方が無理である*1。政権野党の方が期待できるだろう*2。しかしそれよりもいいのは、比例代表制の導入だろう。当選者の一方の性を33.3%以上にするように配分すればよい(ただし当選者1人の場合は除く)。小選挙区*3では、例えば男女ペアにするといった方法があるが、それだけ一方の性を集めるのは大変だから、女性進出の観点からすれば比例代表にして当選者の一方の性を33.3%になるようにするのが現実的であろう。

*1:加えて、現在自由民主党所属(当時次世代の党所属)の杉田水脈さんは、第187回国会 衆議院 本会議 第9号 平成26年10月31日において、「男女平等は、絶対に実現しない、反道徳の妄想です」と言った。BUSINESS INSIDER「なぜ杉田水脈議員は過激発言を繰り返し“出世”したのか──女性が女性を叩く構図は誰が作ったか」(竹下郁子、2018年8月1日18時。

https://www.businessinsider.jp/post-172378

をきっかけにお調べあれ。

*2:読売新聞2021年11月2日統合版1面によると、自由民主党は261人当選、うち女性20人、立憲民主党は96人当選でうち女性13人(女性の当選部分は「衆院選 女性議員『3割』遠く」による。

*3:そもそも小選挙区では可能な限り男女同数にするのは難しい。選挙区で各政党1人が立候補するシステムだからである。小選挙区で各政党が男女同数の立候補者数にしても、女性ばかりが落選ということもあり得る。