清高の ニュースの感想 令和版

題名川柳・内容超一流!

ゴーン逃亡 弁護士さんの 責任か(2)

 

kiyotaka-since1974.hatenablog.com

 の続き。

 

この件につき、筆者が注目したのは、山口貴士弁護士の、2020年1月1日午前9時38分のツイート。

 本当?じゃ、調べてみよう。https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=332M50400000002 参照。

(保釈者等の視察)

 第二百五十三条 警察署長は、検察官から、その管轄区域内に居住する者について、保釈し、又は勾留の執行を停止した者の通知を受けたときは、その者に係る事件の捜査に従事した警察官その他適当な警察官を指定して、その行動を視察させなければならない。
2 前項に規定する視察は、一月につき、少なくとも一回行うものとする。
(事故通知)
第二百五十四条 前条に規定する視察に当たり、その者について次の各号の一に該当する理由があるときは、これを前条に規定する通知をした検察官に速やかに通知しなければならない。
一 逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
二 罪証を隠滅し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
三 被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え若しくは加えようとし、又はこれらの者を畏怖させる行為をしたとき。
四 住居、旅行、治療等に関する制限その他保釈又は勾留の執行停止について裁判所又は裁判官の定めた条件に違反したとき。
五 その他特に検察官に通知する必要があると認められる理由があるとき。
(視察上の注意)
第二百五十五条 第二百五十三条(保釈者等の視察)に規定する視察は、穏当適切な方法により行うものとし、視察中の者又はその家族の名誉及び信用を不当に害することのないように注意しなければならない。
(視察簿)
第二百五十六条 第二百五十三条(保釈者等の視察)に規定する視察を行つたときは、視察簿(別記様式第二十四号)により、これを明らかにしておかなければならない。

 正しそうである。

 

本記事のきっかけになったのは、紙で読んでいる、読売新聞2020年1月17日統合版13版32面の「弘中弁護士ら辞任 3人残留」という記事。その記事に下記の内容がある。

(略)検察側からは「弁護団は逃亡や証拠隠滅させないと言ったのに、結果に何も責任を感じておらず、無責任だ」との批判が出ている。 

 賢明な読者ならお分かりだろうが、正しくは、「検察は結果に何も責任を感じておらず、無責任だ」である(根拠はすでに示した)。仮に弁護団が読売新聞の記事のように言ったとしても、法的に責任を負うのは捜査機関なのである。

 

問題はそれのみならず、責任を負わないはずの弁護士に対する懲戒請求ということが起こっている。根拠は下記産経NEWSの記事。

www.sankei.com

www.sankei.com

「高野弁護士にも懲戒請求(略)」によると、

懲戒請求書では高野氏について「被告を管理監督する立場にいながら、このような発言をすることは、あまりに無責任であり

 とある。

 

しかし、「『被告を管理監督する立場』」という法的根拠は発見できなかった(もっとも、刑事訴訟法第89条~第94条、第96条、第98条の限りだが)。ただ、記事にあることが懲戒事由(弁護士法第58条第1項、第56条第1項)に当たらない(私見)ことを一般人が予見できるかはわからないが(違法な懲戒請求とは言えないと思う)。

 

要は、ゴーンさんが逃亡した件について、ゴーンさんの弁護人の責任を負わせる根拠がないので、懲戒請求といった軽はずみなことはやめたほうがいいということである。

 

なお、一連の経過は、

www3.nhk.or.jp

に詳しい。最終的な保釈は2019年4月25日であり(2019年3月6日にも保釈された)、そうすると犯罪捜査規範第253条にある視察が不十分だったということを問題にしたほうがいいだろう。

辛坊治郎よ 「某国」を 明らかにせよ

まずはこちらのツイートを(以下①)。

 

なぜこんなツイートが出現したのか。その原因はこちらだろうか(以下②)。

辛坊治郎が日テレ女性社員に「壁ドン」パワハラ | 文春オンライン

 

辛坊治郎さんが、いわゆるパワハラをやったかはわからない。

 

しかし、①のようなツイートをしたのだから、ジャーナリストである辛坊治郎さんは「某国」がどこであるかを明らかにしないと信用されないだろう(事実を報じるのがジャーナリストの仕事だから)。

 

幸いなことに、明日(2020年1月11日)には「ウェークアップ!ぷらす」(読売テレビ日本テレビ系列全国ネット)があり、来週月曜日(2020年1月13日)から木曜日までは辛坊さんがキャスターを務める「深層NEWS」(BS日テレ)がある。辛坊さんは発言の機会も十分あるわけだからぜひ「某国」の存在を明らかにしてほしいし、それができないならジャーナリスト失格であると認めて潔くメディアの世界から身を引いてほしい。

 

それにしても辛坊治郎さんの攻撃性が如実に表れている①のツイートだなぁ。もう1点指摘すると「私はこの人権侵害の糞メディアを絶対に許さない!」だって。「野党はバカだ!」(「ウェークアップ!ぷらす」2019年11月16日放送における発言。

 

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 をご一読)もそうだが、なんで簡単に侮辱語を用いるんだろう(人のことは言えないが)。だから「攻撃性が」と言っても何ら問題がない。

法務大臣の コメント 意味がない

本エントリーで検討するのは以下のサイト。

 

法務省:森法務大臣コメント(カルロス・ゴーン被告人関係)ー令和2年1月5日(日)

法務省:森法務大臣コメント(カルロス・ゴーン被告人関係)ー令和2年1月9日(木)

法務省:森法務大臣コメント(2)(カルロス・ゴーン被告人関係)ー令和2年1月9日(木)

 

まず①。

我が国の刑事司法制度は,個人の基本的人権を保障しつつ,事案の真相を明らかにするために適正な手続を定めて適正に運用されており,保釈中の被告人の逃亡が正当化される余地はない。

の意味はない。手前味噌なことを言われても。

 

次は②。

ゴーン被告人は,裁判所から,逃げ隠れしてはならない,海外渡航をしてはならないとの条件の下で,これを約束し,保釈されていたにもかかわらず,国外に逃亡し,刑事裁判そのものから逃避したのであって,どの国の制度の下であっても許されざる行為である。

 え、以前はそういうことを言っていないんですけど。

韓国地検による産経新聞支局長名誉毀損起訴事件 - Wikipedia

にありますよ、

自民党・二階総務会長が朴大統領と会談した際に「加藤前支局長が自由に日本に渡航し、家族と会えるようになることを望む」という安倍晋三首相の意向を伝えた。

 と(

【本紙前ソウル支局長公判】「司法の判断に委ねるしかない」と朴槿恵氏 訪問の二階氏は「家族と会えるように」との首相の意向伝える - 産経ニュース もご一読)。つまり、「海外渡航してはならないとの条件」(②)があった事件においてかつてはそれをないがしろにしたのである。こういうのを普通の人は「ご都合主義」という。もちろん、逃亡を許す趣旨ではないが、突然立場が変わったのでびっくりした。

 

 我が国の刑事司法制度は,個人の基本的人権を保障しつつ,事案の真相を明らかにするために,適正な手続を定めて適正に運用されている。

 といくら当事者(検察庁法務省)が書いても、(へぇ、そうなんだ)と思うお人よしっていないと思うぞ。

 

筆者に言わせると、①~③が「その多くが,抽象的なものや,趣旨が判然としないもの,根拠を伴わないものにすぎない」(③)が、続けて③を検討する。

 

 有罪率が99%であり,公平な判決を得ることができないとの批判がなされたが,我が国の検察においては,無実の人が訴訟負担の不利益を被ることなどを避けるため,的確な証拠によって有罪判決が得られる高度の見込みのある場合に初めて起訴するという運用が定着している。また,裁判官は,中立公平な立場から判断するものである。高い有罪率であることを根拠に公平な判決を得ることができないとの批判は当たらない。

 とあるが、「我が国の検察においては,無実の人が訴訟負担の不利益を被ることなどを避けるため,的確な証拠によって有罪判決が得られる高度の見込みのある場合に初めて起訴するという運用が定着している」の根拠は何だろう? 起訴便宜主義というのは世界に日本しかないのか? 「裁判官は,中立公平な立場から判断する」が日本に特に当てはまる根拠もない。一方、判検交流のみが盛んでアンフェアな可能性を指摘した本を読んだことがある。『検証・最高裁判所―法服の向こうで』(毎日新聞社会部、毎日新聞社、1991)の筆者のアマゾンレビューを参照。

https://www.amazon.co.jp/review/R3AY606F2TBMBF/ref=cm_cr_srp_d_rdp_perm?ie=UTF8&ASIN=4620308358

 

 取調べが長時間であること,弁護人の立会がないこと等取調べ全般に対する批判がなされたが,そもそも,我が国においては,被疑者に黙秘権や,立会人なしに弁護人と接見して助言を受ける権利が認められている。

 に至っては完璧にズレている。「弁護人の立会がない」ことが問題なのに「立会人なしに弁護人と接見して」と論点をずらしている。

 

ゴーンさんの批判が「その多くが,抽象的なものや,趣旨が判然としないもの,根拠を伴わないものにすぎない」かどうかはわからないが(未検討ゆえ)、日本人である筆者としては、森法務大臣の一連のコメントがそれに該当することを、凄く恥ずかしく思った。

清高流 (20)10年代の K-POP

まずは本記事に都合の悪い(?)データを。

 

韓国発のTWICEが、第70回NHK紅白歌合戦の歌手別視聴率で最下位だったらしい。

www1.plala.or.jp

 

まぁ、視聴率=質、ではないので、過度に気にする必要はない。ただ、チョコレートプラネッツの「TT兄弟」ネタから、「TT~Japanese ver.」という流れはつまらなかった。メドレーの2曲目「FANCY~Japenese ver.」のオリジナルの方は、billboard「The 25 Best K-POP Songs of 2019」の第14位に入っているから、下記よりご確認あれ。

www.billboard.com

 

そのbillboardには、「The 100 Greatest K-Pop Songs of the 2010s」と題した記事もあるから下記からご確認。

www.billboard.com

 

当ブログでは、

 

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 という記事もアップしたし、billboardに触発されて(?)、筆者も作ってみますかな。

 

と書いたが、billboardほどのネタはない(質量ともに)。それでは本題。

 

2011年ごろにK-POPがブームになったらしいが、その時はまったく興味がなかった。(東方神起?少女時代?KARA?何それ?)で終了だから、動画も挙げない。

 

ただ、インターネットをやっていると、残念ながら韓国や朝鮮に対する侮蔑発言を散見するものだ。その中には「K-POPを聴く奴は反日!」という内容も記憶している。筆者がTwitterで「K-POP 聴く 反日」で検索した結果、以下2つのツイートを見つけたので、晒す。

 

 こういうのを見て、筆者はK-POPに興味を持った。

 

TWICEデビュー前は、K-POPのガールズグループといえば日本よりエロいということも聞いている。その典型のツイートも晒す。

 

ただ、筆者はエロいというか、セクシーなのも好きなので、例えばこんな動画を見つけた。これがセクシーかは各自の判断に任せる。

www.youtube.com

 

ただ、上記ミュージックビデオを観ても、特に何とも思わなかった。

 

で、時期的には上記ミュージックビデオとほとんど変わらないが、TWICEの「TT~Japanese ver.」が話題になり、河北新報で取り上げられたのをきっかけにYouTubeで検索したものである。その模様は下記から。

 

kiyotaka-since1974.hatenablog.com

 で、そこでも取り上げたが、TWICEの「CHEER UP」が気に入り、それをきっかけに今でもK-POP(ただしガールズグループが大半)を聴いている。

www.youtube.com

 

同時期にBLACKPINKも勢いがあり、「BOOMBAYAH」にもハマった。

www.youtube.com

 

ところが、筆者はTWICEかBLACKPINKを聴きたいのに(その時の気分で)、YouTubeが勝手にRed Velvetを紹介し、最初は腹が立った。しかし、ある日突然「Peek-A-Boo」が頭の中で鳴り、聴いてみたら良かったので、韓国の三大芸能事務所が推すガールズグループ(TWICEはJYP、BLACKPINKはYG、Red VelvetはSM)を聴くようになった。

www.youtube.com

 

そうこうしているうちに、「スカパー! 無料の日」(原則毎月第1日曜日。2020年1月は5日)に、LaLa TVで放送している「SBS人気歌謡」や、Mnetで放送している「M COUNTDOWN」を観るようになり、良さそうなのをチェックした。その時に見つけたのが以下の2グループと、そのきっかけになった曲のミュージックビデオ。

www.youtube.com

www.youtube.com

 

そして年末に(2019年12月1日に再放送された)「M COUNTDOWN」でMAMA(Mnet Asian Music Awards)の特集があり、その時にMAMAMOOを見て(カッコイイな)と思ったが、残念ながら活動終了とのこと(2020年3月22日のお詫び。次の曲でカムバックということ)。(カッコイイな)と思った曲のミュージックビデオを貼る。

www.youtube.com

 

というわけで、筆者の2010年代のK-POPをまとめると、正直初頭は何の興味もなかったが、インターネット上の韓国やK-POPに対する侮蔑発言をきっかけに興味を持ち、ちょっとだけミュージックビデオを観たが、TWICEが紹介されている記事をきっかけにTWICEのミュージックビデオを観たらそれが良かったのでいろいろなガールズグループを聴くようになったということである。もちろんガールズグループだけ聴いているわけではないが、潤沢なJ-POPの世界と比較して特にいいと思ったのでガールズグループの紹介が多くなったということである。

「圧倒的 歌唱力」って 苦手だな

 

2019年12月31日に「第70回NHK紅白歌合戦」が放送されたが、その関連記事をいくつか。

www.nikkan-gendai.com

によると、「『氷川さんとMISIAさん2人の圧倒的な歌唱力が説得力となり』」とのこと。

 

www.nikkansports.com

によると、「ラグビーを盛り上げたリトグリの歌唱のド迫力に圧倒された」とのこと。

 

bunshun.jp

によると、島津亜矢さんの「『圧倒的な歌唱に絶賛の声が続出。芸人のマキタスポーツが“歌怪獣”と名付けた』」のだという。

 

順不同で、筆者が探した中で、「圧倒的な歌唱力を持つ」紅白出場歌手を恣意的に(他にもいるかもしれないから)ピックアップした。

 

どうしてこの4組を出したかと言うと、筆者はこの4組の歌唱に圧倒されていないからである(紅白歌合戦のみ聴いているわけではない)。

 

日刊ゲンダイDIGITALにある「『氷川さんとMISIAさん2人の圧倒的な歌唱力が説得力となり』」というのを筆者は体験したことがない。氷川さんであれば(良さそうな曲だな)で終わりだし(だから氷川さんの歌を覚えていない)、MISIAさんの歌で何か感じたこともない(感じるとしたら(うるさい)か)。

 

リトグリことLittle Gree Monsterであれば、「Jupiter」においては平原綾香さんよりいいと思ったが(だから、以下のYou Tubeのコンテンツを張り付ける)

www.youtube.com

、「世界はあなたに笑いかけている」がやかましくて気持ちが離れてしまった(から、ミュージックビデオは各自で探してね)。

 

島津さんもやかましく感じるときはあるが具体例は挙げない。第70回NHK紅白歌合戦では弱く歌おうという努力は垣間見えたが、ちょっと弱すぎる(息の音に聞こえる)ということを自覚しているから普段は強めなのだな、と思った。

 

ファンの方を不愉快にして申し訳ないが、筆者の感じ方も読者の参考になると思い(全員が肯定的に評価することなどあり得ない)、あえてエントリーした次第である。

 

ゴーン出国 各紙社説を 検討す

カルロス・ゴーンさんが、保釈の条件である、出国しないということを無視してレバノンに行ったことにつき、主要新聞の社説を比較する(2020年1月5日時点では、朝日新聞日本経済新聞は社説にしていない)。

 

【主張】ゴーン被告逃亡 保釈を認めたのが誤りだ - 産経ニュース

 

東京新聞:ゴーン被告の逃亡 司法への挑発と忠告:社説・コラム(TOKYO Web)

 

社説:ゴーン被告の国外逃亡 司法の基盤揺らぐ事態だ - 毎日新聞

 

ゴーン被告逃亡 逃げ得を許してはならない : 社説 : 読売新聞オンライン

 

50音順で取り上げ、かつ検討する。まずは産経新聞2020年1月3日社説「主張】ゴーン被告逃亡 保釈を認めたのが誤りだ」。

 

(2段落略)

 東京地裁はゴーン被告の保釈を取り消した。保釈金15億円が没取されるのは当然としても、保釈を認めた地裁の判断が適切だったのか厳しく問われよう。弁護側の責任も重い。保釈が認められるのは、逃亡や証拠隠滅の恐れが高くない場合に限られる。そのどちらも懸念されていたことである。

 弁護側は保釈後の国内住居に監視カメラを設置するなどの条件を提示して保釈決定に結びつけた。海外渡航禁止の条件で保釈されており、パスポートは弁護団があずかっていたという。だが結局、海外逃亡まで許した。悪意を持って企てれば、保釈にどんな条件や手立てを講じても無になる。それが分かっても遅きに失した。

 (略)

 ゴーン被告をめぐっては長期勾留に海外のメディアから批判が強かった。外圧に屈しての保釈判断もあったとしたら真相解明とともに、社会の安全や公平性を守る刑事司法の目的に反しよう。

 (略)

 被告の逃亡先のレバノンと日本の間には犯罪人引き渡し条約は結ばれておらず、レバノン政府の理解を得られないと、被告は引き渡されないという。

 レバノン側に働きかけるのはもちろん、国際的な手配など、あらゆる手段を講じ、被告に法廷で真相を語らせなければならない。

(略)

「外圧に屈しての保釈判断」はあってはならない。ただ、致命的な問題がある。

 

それは、「弁護側の責任も重い」だとか「弁護側は保釈後の国内住居に監視カメラを設置するなどの条件を提示して保釈決定に結びつけた(略)だが結局、海外逃亡まで許した。悪意を持って企てれば、保釈にどんな条件や手立てを講じても無になる。それが分かっても遅きに失した」と、弁護側を非難していることである。

 

弁護側(刑事弁護人)の仕事は、被疑者・被告人の権利を守ることであり、保釈決定を勝ち取っていることで責任が果たされている。だから、弁護側の責任ではない。

 

次は東京新聞2020年1月4日社説「ゴーン被告の逃亡 司法への挑発と忠告」。

 世界が注目していたゴーン事件だっただけに、このような展開は残念である。無実ならば正々堂々と裁判で決着させる道を選択すべきだった

 の部分だけはとんちんかんだが(被告人が保釈の条件を破って出国しただけだから)、その他は妥当なので、ぜひ東京新聞のサイトでご堪能いただきたい。

 

3番目は毎日新聞2020年1月5日社説「ゴーン被告の国外逃亡 司法の基盤揺らぐ事態だ」

 国際的に注目を集める事件で、被告に国外逃亡されたことは、司法・関係機関全体の失態と言える。

の「機関」が気になる。弁護人を除いているならば正しい(社説の内容もそうである)。また、

今回のケースを保釈のハードルを上げる動きにつなげるべきではない。

 の指摘も正当である。

 

最後は、読売新聞2020年1月5日社説「ゴーン被告逃亡 逃げ得を許してはならない」

 (前略)

そもそもゴーン被告が保釈を認められたのは、海外渡航禁止に加え、パソコンの使用制限や住居への監視カメラ設置などの厳しい条件が評価されたためだ。弁護団は「逃亡はあり得ないシステムを提示した」と自賛していた。

 条件を守らせることができず、結果としてゴーン被告の海外逃亡を許した。弁護団の責任は極めて重いと言うほかない。(以下略)

 産経新聞と同じく間違えちゃった。別に弁護団が守らせるんじゃないって。

 

 

産経新聞も(「東京地裁はゴーン被告の保釈を取り消した。~それが分かっても遅きに失した。」)読売新聞も(「そもそもゴーン被告が保釈を認められたのは、~弁護団の責任は極めて重いと言うほかない。」)、なぜか2段落かけてゴーンさんの弁護人を非難しているのでそれを強調していると解釈するが、被告人が保釈条件を守らないのは被告人のみの責任なので(だから保釈金が没取(刑事訴訟法第96条第2項)されるにすぎない)、間違い。産経新聞や読売新聞、またそれを肯定的に評価する自称保守の人は、刑事訴訟法の本でも買って勉強したほうがいいだろうな。

紅白を なくすと困る 女性かな

2019年12月31日19時15分から放送された、「第70回NHK紅白歌合戦」の話。

 

筆者は人と会話しながら観ていたのでそれほど味わっていない。その中で一番印象的だったのが、ビートたけしさんの「浅草キッド」。たけしさんに葛藤があったという。以下記憶だが、自分は売れたけど仲間が売れなかったことに葛藤があって曲を書いたという。

 

その歌詞はUta-Netから。

ビートたけし 浅草キッド 歌詞 - 歌ネット

ざっと読んだが、なかなかの歌詞である。たけしさんくらいは真剣に聴くのだったか。

 

他には、K-POPファンを自認している筆者としてはいつもの(ただし曲はJapanese ver.だから「いつもの」でないが)TWICEを観たくらい。ミナさんの一日も早い復帰を祈っている(ただし、焦らずに)。

 

というわけで、それほど真剣に観ておらず、また、それほど面白くなかった第70回NHK紅白歌合戦だったが、ネット上で注目されていると筆者が勝手に認定したのは、以下の女性自身の記事にある話。

jisin.jp

 

女性自身の記事をまずは引用してみる。

 歌手のMISIA(41)が12月31日、「第70回NHK紅白歌合戦」に出場した。(略)

 

(略)

 

紅組司会・綾瀬はるか(34)に「年齢も性別も、国境さえも愛の力と音楽で越えていきたい。そんなMISIAさんの熱い思いが詰まったステージです」「様々な愛の形に素晴らしい未来が訪れることを祈って」と紹介され、歌い始めたMISIA。(略)

 

(略)「Everything」に突入。LGBTQの象徴であるレインボーフラッグがステージ後方の中央に掲げられ、ドラァグ・クイーンがダンサーやコーラスとして登場した。(略)

 

MISIAさんは活動初期からステージにドラァグ・クイーンを起用し、LGBTQのイベントにもたびたび参加してきました。さらに、セクシャルマイノリティのファンも多い。そのため、MISIAさんは『恩返しがしたい』という気持ちでサポートを表明しているそうです。新しい元号となって初めての紅白でこうしたパフォーマンスをしたことは、新たな時代の始まりを感じますし、多くの人々を勇気付けたことでしょう」(音楽関係者)

 

MISIAのステージには19年5月にアジアで初めて同性婚が認められた台湾から、DJ Noodlesが参加。また紅白出場アーティストたちがレインボーフラッグを手に持ち、そのパフォーマンスを楽しむシーンも映し出されていた。TwitterではMISIAの打ち出したメッセージ性に感動の声が上がってる。

 

MISIAが素晴らしすぎて涙が出た。令和になっても男女に分かれて勝負をする(という前提を崩せない)紅白の舞台にレインボーフラッグを広げて、会場中の人びとに振らせて、真にさまざまなひとが歌って、踊って、何よりあの圧巻の歌声!女神かと思った》
《我が国最高の視聴率を誇るテレビ番組のクライマックスでレインボーフラッグが登場した令和元年。後世にこの日はどう評価されるんだろうな。MISIAさん、ありがとう!》

 

また紅白歌合戦からのメッセージも話題となっている。

 

18年の紅白で、おげんさんに扮した星野源(38)は「紅白もこれからね、紅組も白組も性別関係なく混合チームで行けばいいと思う」と話して反響を呼んだ。そんな星野の、今回の衣装はピンク! また囲み取材で「もっと自分らしく」と意気込んだ氷川きよし(42)は本番で、紅バージョンと白バージョンにわかれた自身の姿がバックに映し出されるなか「大丈夫! 大丈夫!」と力強く歌っていた。

 

それぞれのアーティスト、ひいては紅白歌合戦のメッセージに新たな潮目を読み取るこんな声も上がっている。

 

紅白歌合戦、赤と白半々の氷川きよしからのレインボーフラッグのMISIAの流れ、はっきりと言わなかったけどわかるようにメッセージを飛ばしてますよね》
星野源が「これからの紅白は紅組も白組も性別関係なくいけばいいと思う」と言っていて、おお、これはすごいなと思ったが、今日の衣装はピンクだった。MISIAはレインボーフラッグを背にし、嵐は色とりどりのダンサーに囲まれる。いいですね》
《2020年が紅白を決めなくてもいい、白黒つけなくてもいい、どんな色も輝く年になりますように》

 と、このように、MISIAさんのパフォーマンスをきっかけとして、男女を紅白に分けないことを素晴らしいことのように書いている。

 

たしかに、個々人の性的指向は人それぞれであるから、男女や、それに伴う紅白にこだわる必要がないと言えなくはない。

 

しかし、上記女性自身の記事は、紅白歌合戦の歴史を知らないと馬鹿にされても仕方のない内容でもある。

 

実は、紅白歌合戦というのは、男女が平等に、対等の立場で勝負するというイベントなのである。

 

筆者は(忘れていたが)すでに下記のレビューをアマゾンでアップしているので、まずはそちらを。

「〈安住の地〉」 見つけるための 紅白だ

 

「「〈安住の地〉」 見つけるための 紅白だ」において、筆者は以下のように書いた。

 初期の紅白は、「『男女対等、ハンディなしのゲーム展開』」(p24)のあるスポーツの要素があった

 だから、女性自身の書いたような評価はアリとしても、もし男女別をやめた場合にチェックしなければならないのは、男女のアーティストの比である。おそらく男性アーティストの数が多くなると予想するが、本当にそれでいいのかは考えたほうがいいだろう。

 

ちょっとズレるかもしれないが、アメリカにおいて、グラミー賞に女性アーティストに対する差別があるという話があるので、そちらも。

rockinon.com